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その後もあれやこれやとちょっかいを掛け、なんとか甘い雰囲気でいちゃいちゃしようとする俺を、山田は素っ気ない態度でかわしていく。
「かっわいくねーヤツ」
体をふかふかのバスタオルで拭きながら、プリプリとふて腐れて文句を垂れると、
「だから、センパイに可愛いなんて思われたいと思ってませんってば」
と更にコイツは可愛くない事を言いやがる。
「………でも、お前は可愛いよ」
不意に………真剣な顔をして、じっと山田を見詰めて言うと、
「知ってます」
なんてほざきやがるものだから、顔を引き寄せ頬にキスをしてやった。
「なっ、なっ………っ」
顔を真っ赤にして言葉をなくし驚く山田に、してやったりとニヤリとほくそ笑む。
「変なとこでウブな反応するんだから、お前って変なヤツだよな」
からかうようにそう言うと、拗ねてプイッとそっぽを向き山田は脱衣所を出て行った。
「可愛い………か」
本来男に向けて使う言葉ではないが、どうにも“可愛い”という表現が山田にぴったりすぎる程ぴったりと合い、しっくりとくるのだから仕方がない。
そして、なんでこんなにも山田のヤツを“可愛い”なんて感じるのか………。
「………はぁ」
好意があるからだろう………それも、友愛ではなく肉欲を伴う恋愛対象としての………好意。
面倒な相手に、面倒な感情を持ってしまったものだ………。
とはいえこういったモノは唐突に、ある日いきなり文字通り“おちる”モノなのだろうから、気をつけようにも回避のしようがないのだろうが。
「俺が山田を………ねぇ」
なんとも苦い顔をして一層深い溜め息が出るのも当然の反応だろうと思う。
本当に、厄介な事になったもんだ。
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