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63 追ってみたら、逃げられた
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「用が済んだんなら、帰ってもらえますか」
リビングに行くなり速攻でつれない言葉を吐く山田に、心が折れそうになる。
「いやいや、仮にも先輩に向かってだな………」
「先輩なら先輩らしく、清く正しい人の道とやらを行動で示してもらいたいもんです」
あくまで素っ気ない態度を貫き崩さない山田を、どうしてやろうかと考えて………。
「なら、俺と付き合えよ。そしたら嫌でもお前の言う“清く正しい人の道”ってのが淫乱で節操のない明楽くんにも身につくんじゃないかな?」
少々の嫌味も織り交ぜつつ………直球で勝負を仕掛けてみた。
「………どこか頭でも打ちましたか?」
山田は怪訝な顔をするばかりで、まともに取り合ってはくれず………まあ、それも想定の範囲内なので挫けず俺はまたまた直球を投げた。
「打ってねぇ。愛してる………な?付き合おう?」
哀しいかな………投げたボールはコースを大きく外れ敢えなく撃沈………。
「………気持ちが悪い」
「ナーンテ………ジョウダン、ダヨ」
これ以上のダメージを受けたら立ち直れなくなると判断した俺は、恐ろしく棒読みな台詞を残しふらふらと山田の家を後にした。
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