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朝から長距離を移動した疲れもあるのだろう。
車に乗るなり、すぐに山田はうとうとと眠りについた。
サプライズを計画している俺にとってはこの上ない好都合であったのだが………。
「………痛くねーのかな」
走行する車が揺れる度に、傾いた山田の頭がゴツゴツと窓に当たるのがさっきから気になってしょうがない。
一度、山田の頭を窓とは逆の方向に傾けてやったのだが、そのせいで反動がついてゴンッと盛大に窓に頭をぶつけさせる事になった。
小さな呻き声を上げたものの、それでも起きない山田にもう俺は手の施しようがなくて、心臓をひやひやとさせながら横目でチラチラと寝顔を盗み見る事くらいしか出来ない。
「………」
信号が赤に変わり車を止める度に、じっと吸い込まれるように見詰めてしまう………山田の安らかな寝顔。
「ん………ンッ」
サラサラと頬にかかる髪を耳に掛けてやると、くすぐったかったのか山田は眉を寄せ小さく声を洩らす。
無防備な山田。
長い睫毛は目を閉じる事でその密度と長さを強調され、瞼にはくっきりと二重の皺が刻まれている。
良く通った鼻筋と扇情的なぷっくりとした桜色の唇。
薄く開いた唇の隙間からは赤い舌が覗いていて………今すぐにでもむしゃぶりつきたい欲求に駈られた。
右目の下にある黒子が、山田の色気を更に倍増させている気がする。
「っ………はぁ」
唇を、そっと指先でなぞる。
洩れた山田の吐息に、ただそれだけで、体が熱を持ち痛いくらいに反応する。
「いかん、いかん」
ブルブルと、邪念を払うように頭を大きく左右に振って俺は運転に集中する事にした。
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