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蛇口を捻ると、少し熱めのお湯を頭から被る。
それから俺は、俺自身について改めて振り返り考えてみた。
小野坂悦司(おのさかえつし)32才、独身、彼女いない歴3年目に突入しようかという詫びしい枯れた生活を送る日々………。
仕事は普通のサラリーマンで、主にパソコンを使ったデスクワークとたまに外回りの営業の真似事のような仕事が少々、特に出世も意識せずこのまま進めばどこか適当な部署の係長止まりがせいぜいだろうというところ………詰まる話が特に変わったところもない面白味のない普通の………普通すぎるくらい普通の人間………それが俺だ。
それに引き換え………
「………はぁ」
俺は山田のことを考え、つい溜め息を吐いてしまう。
山田明楽26才、実家は裕福な家庭のボンボンらしく、年下の癖に広くて綺麗でお高いマンション様で生活しているらしい。
顔もスタイルも良ければ物腰も柔らか、おまけに良く気がつき親切で仕事も出来るときたもんだから………モテる。
憎らしいくらいにモテるし、モテる癖に誰に対しても気さくに話し掛け、うま~く相手の懐に入るもんだから、敵もいないし男にもモテる。
別に俺と山田に特別な接点もなければ俺が山田を好きだということもないし、恐らく………というか絶対、山田も方も俺が好きだということはないだろう。
じゃあ、何故俺と山田がセックスをすることになったのか………………それは一重に、俺の知らなかった山田の特殊性癖に多いに関係がある。
つまり、淫乱………そして男に掘られる趣味を持つ………「ネコ」と言うらしいその嗜好………俺はただ、なんとなく山田の目にとまり、なんとなく「ま、いっか」くらいの軽いノリでたぶらかされただけに過ぎない。
………………そしてそんな山田の誘惑に負け、まんまと山田に突っ込む羽目になった自分の節操のなさに………自分でも呆れ、軽く涙が出てきたぜ……………………コンチクショウ。
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