アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
初めての世界。4
-
秋乃side
帰り際、たまたま出ていた春人が帰ってきた。
出迎えで人の避けた道を歩く。
白は、不安そうにいていて、隣の奴にも怒られた。
「どうした?」
その場がシーと静まり返り、
緊張した空気が流れる。
「やぁ、春人く〜ん。元気かい?」
そんな空気の中、僕はあまりに場違いな
明るい声で春人に話しかける。
「あぁ、黒。親父の依頼か?」
「ざんね〜ん、違うよ。幹部くんからね〜」
「…世話になったな」
「そう思うなら今度奢りね〜」
いつもの様に揶揄い、
それとなく場の空気を軽くする。
「阿保か、それが黒の仕事だろ?」
「うわ〜、辛辣〜。僕、結構儲けてるし〜、別に、
ここ以外にも雇いたいとろは多いんだよ〜?
僕としては、もっと儲かるところに行っても〜
「あー!悪かったよ。今度奢るからそれだけは勘弁」
まぁ、冗談だけど。一緒に飲みたいな」
春人は真面目な性格故に、
冗談でも、本気に捉えることがあり
兄弟の中でも一番揶揄いやすい
「冗談きついわ…、まぁ、今度一緒に飲みに行くか」
「暇なとき言って〜、予定が合えば行くから」
「了解。またな」
「うん、またね〜」
さらりと飲みに行く約束を取り付けて
白と二人で出口に向かって歩き出す。
「あ、その新入りちゃん、どうにかしといてね。
怒られちゃった〜」
「おう、分かった」
ふと、白を怖がらせたのを思い出し
春人にそう告げて早足にその場を後にした。
黒が去った後、その場の空気が再び凍ったことを
二人は知る由もなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 292