アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ただいま。4
-
秋乃side
ハッと気づくと、腕の中から
白がいなくなって居て姿が見えなかった。
「ふふっ…、痛い。痛いよ」
その声は聞いた事のない声で
まだ声変わりする前のような高めの声。
状況から見て白の声だろうと思う。
嫌な予感がして急いで声のしたところに行く
すると、右腕を切った白がいて
愛おしそうに滴り落ちる血を舐めていた。
「ねぇ、何してるの?」
「ひぃっ…」
「怯えてないで答えてよ」
振り返り小さく悲鳴を上げて怯えている。
急に外に出したのがいけなかった。
そんな後悔をしても、今更遅すぎるのだ。
「白、辛いのは僕だ。君じゃない」
「やだぁ…、やめて…許してぇ……ひくっ…」
「……チッ」
持ったままの包丁を振り上げ
腹部へと突き刺そうとしていたのを止めるが
すでに意識はなく、完全に留めることも出来ず
浅く刺さってしまい血が流れた。
なんで…、
"ここまで深く傷ついていたなんて"
そんな言葉は、声になることは無く
ただ深い、後悔の渦の底に沈み込む。
白、君は僕のもの….、誰にも殺させたりしない…
例えそれが、"君自身" であったとしても…
知り合いの闇医者に電話をかけて
白の負った傷を綺麗に縫い合わせて貰う。
痛々しい傷を見えなくするように
丁寧に包帯を巻き、白を寝室へと運んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
50 / 292