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冬生の家族。2
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冬生side
目が覚めた時には黒は近くにいなかった。
少し身体を捩って横を向くと
僕は、机に向かっている黒を見つけた
「うぅ……、く、ろ?」
「白っ!大丈夫か…?」
「うん。声…、聞こえる…?ぼく、喋ってる…?」
喉の辺に違和感を感じた。
黒は、少し嬉しそうにしていたので
声が出ているのか聞いてみる。
「うん、聞こえてるよ。可愛い声…」
「うぅ…?」
「白、泣かないで…?」
僕はいつの間にか泣いていたらしく
黒が涙を拭いてくれる。
「ねぇ、白。お兄ちゃんに会いたい?」
「お、にいちゃ…、ん……?」
「そぉ、お兄ちゃんだよ。会いたい?」
一度だけ聞いた話では、
僕には異母兄弟の兄と、兄さん、双子の兄がいる
三人とも生きているか分からなかった。
一緒に過ごすことも少なく
ほとんど、思い出に残るものがなかった。
「あっ、て…、みたい…」
「そっか、そうだね。いつか会えるよ」
そう言った黒の言葉は
僕には理解することが出来なかった。
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