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デート -7-
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目を閉じて動かない興本の横に座って、そよそよと吹き抜ける風を感じたまま、どれくらいの時間が経っただろうか。
長時間バイクの運転を続けて疲れてしまったらしい興本は起きる様子もなく眠っている。
俺は後ろに座っていただけでやっぱりそれなりに疲労感はあったけれども、この十数分でだいぶ回復してきていた。ということで今、とても暇なのだった。
「興本ー…」
ねえねえ、と興本の手をつんつん突いてみたりするが、ぴくりとも動かない。
普段は反応が怖くてなかなか自分からは触れられないから、ここぞとばかりに触れてみたい衝動にかられた。
「興本、起きないの?」
もう一度手のひらに人差し指で突いたが、やはり反応はなかった。
今度はもっと大胆に、2時間前は躊躇ってた手を握るという行為を自ら試みた。
興本の手は俺よりも大きくて、指は長くて、とてもきれいだ。
掌を合わせると手の大きさは関節一つ分は違った。
握り返されないことに安心して好きなように遊べた。
ちょっとした好奇心で指を交互に挟んで、所謂恋人繋ぎもしてみた。恥ずかしすぎてすぐに解いたけれど。
手だけで一しきり遊んだものの、それでも起きない興本に、俺は更に大胆になっていった。
体の向きを変えて興本の寝顔を正面から見つめる。見下ろす興本の寝顔は普段のクールさが薄れて、少し幼い。
相変わらず整った顔立ちにうっとりしつつ、意外にまつ毛が長いことも発見した。
この唇が何度も俺に触れているのかと思うとドキドキしてきた。
じっと寝顔を眺めていただけなのに、段々と触れたくなってきた。寝てるし、気づかれなければ大丈夫じゃないか、という気持ちが沸々と湧き上がって来て。
そっと顔を近づけて、とうとう唇に触れた。
柔らかい感触に触れて更に鼓動が早く鳴った。
唇に触れても興本は起きなかった。
だからまだ大丈夫だと勝手に判断して、俺はもう一度顔を近づける。
触れるだけの簡単なキスをした。
そしてまたすぐに顔を離して――目が合った。
「あ…」
思わず出た声に興本が眠そうな顔で笑う。
「なに可愛いことしてくれてんの?」
いつから気づいていたのか、寝たまま片手で俺の頬を撫でる興本は、そのまま親指の腹で俺の唇を撫でた。
「ご、ごめん」
かあぁっと顔が熱くなり、逃れるように背けるが、腕を引かれて興本の上に倒れこんだ。顔を覗き込まれて俺はどうしていいか分からない。
「謝らなくていいよ。それよりもう一回」
からかうように指先で俺の顎を持ちあげて、興本はキスを催促した。
俺は拒む選択肢もなくて、倒れこんだ胸から起き上がると、今度は視線が合ったまま顔を近づけた。
触れるだけのキスの後、興本が口を開いたから、そこから見える赤い舌へ自分の舌を伸ばした。
下から舌を吸われて、いつものように興本へと主導権が奪われていく。
耳の後ろを撫でられて俺は股間が熱くなるのを感じた。
キスだけでも感じるのに、興本の指先が触れる場所がどこも熱を持って、時折髪を揺らす風だけがここが野外なのだと実感させてくれた。だからと言って熱が冷めるわけもないけれど。
「井瀬、俺の上に乗って」
そう言って興本は俺を自分の腹の上に跨がせると、再びキスを始めた。
硬くなった興本のソレを感じ、俺の体もすぐに反応していった。
「ん…、はぁ…」
「井瀬のも勃ってるね」
キスをしながら興本は楽しそうに服の上から撫でてきて、俺は反論することもできずにいた。
「キツそうだし、脱いじゃおうか」
前を撫でていた手が、いつの間にか後ろに回っていて、気づけば俺は両手で尻を揉まれていた。
女の子みたいに柔らかなお尻じゃないけれど、何度も回すように揉んでいる興本の顔はともていやらしくて、この後に何をされるのか容易に想像できてしまった。
恥ずかしくて、羞恥で顔が真っ赤になるも、強く嫌だと言えない俺がいる。
それは興本の言うことに逆らってはいけないというのとは別に、この先の行為を俺自身が期待してしまっているからだ。
「脱いだらいっぱい触ってあげる」
顔を赤くしたまま返事もできずにいた俺は、興本のその一言で、腰を上げて自らベルトを外し始めた。
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