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新しい友達 -3-
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数日振りに会った興本の髪は黒くなっていた。
茶髪から黒髪になってもイケメンはイケメンだった。むしろクールさがさらに増して、より格好良くなっているように見えた。
「どうしたの、それ?」
光に当たると少し緑っぽく見えるその髪を見つめたまま聞いてみた。
「似合ってない?」
疑問に質問で返された。
似合ってないわけがなかった。
「ううん、かっこいい。俺、そっちの方が好きかも」
俺が即座に答えれば、興本は呆れたような顔をした。なぜだ。
いや、少し蔑むような視線すらかっこいいけれど。
「お前…よく臆面もなくそういうこと言えるよな」
興本の言っている意味が分からなくて首を傾げた。
「そういうことって?」
「…かっこいいとか、好き、とか」
「え? 興本もよく俺のこと可愛いとか言うじゃん」
何を今更照れているんだろう。
俺が可愛いかはともかく(一般的に俺の容姿はお世辞にも可愛いとは言えないが、興本の美的感覚がずれているのは最初からだ)、俺を可愛いと口癖のように言ってる興本とどう違うと言うのか。
などと内心で反論をつらつら考えていると、興本は俺の髪をくしゃくしゃと撫でて、盛大なため息を吐いた。
「はぁ…。まーいいや」
どこか諦めたような口調でも、とりあえず俺への不満は興本自身の中で昇華してくれたようだ。
「今日は井瀬んち行くか」
そう言って自分でくしゃくしゃにした俺の髪を荒っぽくも整えてくれた興本は、そのまま腕を俺の肩に回して歩き出した。
俺はつられるようにして一瞬前のめりになりつつも並んで歩いた。
興本の大きな手が俺の肩をしっかりと抱き寄せている。
歩きにくい体勢ではあるが、少し視線を上げれば興本の端正な顔を横から眺めることができるこの位置は、密かな優越感に浸らせてくれた。
「…なに?」
じっと見つめすぎていたようで、俺の視線に気付いた興本が目だけをこちらに寄越して聞いてきた。
「ううん、何でもない」
「ちゃんと前見てろ」
「うん」
言われて顔を前に戻すも、やっぱりちらりと興本の横顔を見る。
黒髪の興本の顔はどこか以前よりも大人びて見えて、俺は静かに鼓動を速くさせていた。
俺の家に着いて、部屋に入って、ただいまと挨拶をするようにキスをした。
新学期が始まる前の休みの間は毎日のように会っていたからか、数日振りのキスは久しく感じて、やけに心臓が激しく鳴っていた。
黒髪の興本に慣れていないことも、要因の一つかもしれない。以前の明るい茶髪もカッコよかったけれど、やっぱり俺は黒い方が好きなのだろう。凛々しさも雄々しさも増した興本は別人のようでもあった。
重ねるだけのキスをした後、俺の唇を啄む興本に倣うように、俺も興本の唇に寄せていく。
そうしているうちにお互いに開いた口へと舌を伸ばした。
口を完全い塞いで吐息ごと飲みこまれる。その感覚にも俺の頭は酔いしれていた。
俺はキスの応酬に必死で興本にしがみ付くだけだったけれど、その間にも興本の両手は忙しなく俺の体を弄っていた。
体のラインをなぞるように頭から腰まで這わせていたかと思えば、片手は服の下から背中を撫で、もう片方の手は俺の尻を掴んで揉み始めていた。
「ン…、あ…、はぁ…ん」
気持ち良くて力が抜けてくる俺に、興本は色気のある笑みを浮かべた。
「蕩けちゃった? かーわい」
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