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トライアングル -10-
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宗田が学校を休んで3日目の放課後。
家に帰ると興本が待っていた。
今日会えるなんて連絡は一切なかったから驚き、慌てて駆け寄る。
「興本! どうしたんだ?」
玄関の前で座り込んでいた興本がゆっくりと立ち上がる。その顔は無表情で、けれど俺が前に立つとその長い腕で俺を抱きこんだ。
俺の肩に顔を埋める興本はなんだか元気がない。
「はぁ…。井瀬不足…」
耳元で囁かれて、思わず背中に腕を回して抱きしめ返した。
「癒して」
切なげな声でそんなことを言われたら、頷くしかないじゃないか。
もつれ込むようにして部屋に入る。
ドアを閉めるなり壁に押し付けられて、貪るようにキスをされた。
性急な舌の動きに俺は必死でしがみ付いた。息もできない勢いで脳がくらくらとする。
股の間に足を入れて、膝で俺の股間を刺激する。
興本の手は俺の頭を抑え込んでいて、時折髪や頬や首を撫でられる。その度にぞくぞくと快感が走って体を震わせた。
俺も片腕を興本の首に回しながら、もう片方の手で興本のソレを撫でた。ズボンの上からでもわかるほどにすでに硬くなっていた。こんなに切羽詰まっている興本は久しぶりだ。
「ん…んぁ…」
くちゅ、くちゅ、と唾液が混じる水音の間に、どちらからともなく吐息が漏れる。
閉じていた目をそっと開けば、じっと見つめる興本と視線が交じり合った。
「ふふ。やっぱり井瀬チャンはかわい…」
涙目になっている俺の目を見て、興本は可笑しそうに目を細めた。
ちゅ、ちゅ、と目元にキスを降らせると、ちゅぱちゅぱとリップ音を立たせながら頬に口づけ、鼻の頭にもキスを落とした。
「んっ、んん…っ」
鼻の穴の中まで舐められれば、さすがに俺も身じろいだ。
そうして余すところなく顔中にキスを落とした興本は、再び唇を重ね合わせてくる。
興本とのキスは気持ちいい。思考がどろどろに溶けていく。
キスに夢中になっていると興本の手が降りてきて、俺の胸のあたりを弄り始めた。
服の上から乳首を押しつぶされる。無い胸を揉まれるのは不思議な感じがする。きっと女の子のふっくらとした胸なら揉み甲斐もあるだろうに。
「あ…、も…興本…っ」
「うん?」
ちゅぷちゅぷと首に吸い付き始めた興本の肩を押して、目を合わせる。
「ベッド行きたい」
少し屈んだ体勢の興本が上目遣いで見てくる。
「立ってるのつらい?」
キスだけで腰が砕けそうになっている俺は素直にこくんと頷いた。今の俺は、股間に挟んでいる興本の膝で支えられているようなものだった。
「いーよ。おいで」
にっこりと笑った興本は俺の手を引いてベッドまで連れて行ってくれる。
それからそっと、俺をベッドの上に押し倒した。
「今日はたっぷり癒してもらうから。すぐにイったらだめだからな?」
妖艶に微笑んだ興本は俺から制服を簡単に脱がしていき、俺は寝たままあっという間に全裸になった。
俺に覆いかぶさる興本は一つ唇にキスをすると、ローションを手に取り、尻の穴を解しにかかる。
「んんっ…あっ…」
つぷ、と指が入って来る。
興本の指は長くて綺麗で、その指が俺の中を掻きまわしているのだと思うと興奮する。
「かーわい…。気持ち良い? ちんこも濡れてる」
触れてもいないのに俺のソレからはだらだらと汁が溢れだしている。
興本は指を動かしながらも笑みを浮かべながらじっと俺を見下ろしていた。
緩やかに動かされる指に、俺は焦れったささえ感じているというのに。
きっと興本にはそんなこともお見通しで、けれど激しくイかせようという気はないのだろう。
にこにこと、ただ俺が喘ぐのを見つめている。
「あっ…はぁ…あ、あんっ…」
「はぁ、かわいい…。ほんと、アイツとは比べ物にならない…」
「えっ…? あっ、やっ…あっん…んぁ…っ」
ローションがぐちゃぐちゃと掻きまわされる。いつの間にか指は二本に増やされ、それでもスムーズに挿抽を繰り返していて、けれど意図的にスポットには一切触れられずにいる。
いや、そんなことよりも。
「アイツって、誰…? やんっあっ、はっ、あん」
足を広げて穴を掻きまわされて、俺は興本を見上げた。
俺が尋ねた途端に指の動きが速くなって、がくがくと腰を揺さぶられる。聞いてはいけないことだったのかもしれない。
だけど聞こえるように呟いたのは興本だ。じっと見つめ返せば、興本は苦笑して溜め息を吐いた。
「井瀬が連れてきたアイツだよ。俺と同中だか知んないけど、勝手に俺と井瀬の間に割って入って来た、アイツ」
「あん...っ、そぅ…だ、にも…、同じこと…した…?」
俺を襲おうとしてた宗田。興本は宗田にも、俺と同じようにこんなふうに触れたのだろうか。
「嫉妬する井瀬も可愛いな。…したよ、仕方なくだけど。俺は入れてないけどね。アイツ見た目は良かったし、すぐに代わりのヤツも見つかったから」
単純に疑問に思っただけで嫉妬はしていないのだけれど。俺が反応したことで興本が微かに嬉しそうにしたから、口を噤んだ。
けれど興本の答えに俺は更に疑問が浮かんだ。興本は宗田に何をしたのだろうか。
「そんなことより、舌、出して」
再び俺がその疑問を口にしようとして、その前に興本が命令をした。
口を開けば自然と出てくるのは喘ぐ声で、それを抑えることもできずに喉を震わせながら舌を出した。
すると興本は「いい子」と微笑み、俺の舌に吸い付いた。
零れる涎で顔を汚しながら、舌を絡ませてキスを繰り返す。
その間にも指は三本に増えて、俺は焦れて焦れてどうしようもなくなっていた。
「イキたい…、興本…もう…おねがい…」
口が離れた隙を狙って懇願してみるが、興本が服を脱ぐ気配さえ見えない。
「だめ。もっと喘いでろ」
「や…あー…、あ…はぅっ」
せめてスポットにさえ触れてくれれば後ろの快感だけでイクことだってできるのに。興本はそれさえも許してくれない。
機嫌が悪いわけでもなさそうだし、俺に怒っているわけでもない。
俺がこんなに苦しい思いをしているのは間違いなく宗田と何かあったからだ。
ほんと…宗田に何をしたんだ…。
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