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巻き込まれる -1-
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放課後になると、宗田は他の友人たちの誘いを断って、俺に居残るように言いつけた。
「興本っていつもあんな感じなの?」
誰もいなくなった教室で、向かい合った宗田が口を開いた。
「あんなって?」
宗田の質問の真意が掴めなくて首を傾げる。興本はいつだって興本だ。
見た目はクールでカッコよくて、目を細めるだけでちょっと凶悪な人相になってそれが怖くて。
なのに本当は少し甘えたで俺なんかを気に入ってくれて、俺のことを可愛いなんて言ってくるほど美的感覚はずれていて。でもそんなことは俺だけが知っていればいいと思う。
「…中学入った頃の興本はさ、明るくて誰とでも仲良くなって、で、あの顔だろ。背はまだ低かったけどさ。同じクラスじゃなくても人気のある奴だったんだ」
少し考えてから宗田が言った昔の興本像は、俺が知る前の興本だった。
俺が知っている興本とはだいぶ違うそれに驚いていると、宗田は悪戯っ子みたいにニカッと笑った。
「な、今と違うだろ?」
「う…ん…」
なんかちょっと悔しい。と思うのはなぜだろう。
「中2か中3くらいの時から、雰囲気変わったなーとは思ってたんだけど。ああ、噂が色々で出したのもその頃からかも。で、久しぶりに会ったらやっぱ全然違うなーって思ったんだよな」
「興本はずっと…あんな感じだよ」
俺の知らない興本がいるのは当たり前なことなのに。なんでこんなに悔しいんだろう。
今の興本だって全てを知っているわけじゃないのに。
「ふぅん」
納得したのかしてないのか、宗田はそれきり黙った後、不意にずいっと身を乗り出してきた。
「それでさ、興本とはいつから付き合ってんの?」
内緒話をするように、顔を近づけて小声で宗田は聞いてきた。
俺は心臓が止まるほどに驚いたけれど、なんとか表情は保てていた…はずだ。
「っ、付き合って、ないけど」
言ってから、そうじゃないと気付いた。
「ていうか男だし」
慌てて言い直すも、宗田は満足げな笑みを浮かべていた。
「だーかーらー、もうそういうのはいいから。興本にアンアン言わされてんだろ。分かってるから」
「分かってるって…何が…」
なんでだ? せっかく興本と会わせて、興本からも違うって言ってもらったのに。
いや、確かに納得してないのは分かるけど。でも分かってもらえないと俺の心労が割に合わないと言うか…。
「興本って昔からモテてたし、ああいう噂が立つくらいだし、経験豊富だとは思ってたけど。まじでテクニシャンなのな。俺、もう腰砕けたし」
宗田は笑いながら、なんだかすごいことを言っている。
え。俺を帰らせた後、そんなことになってたのか?
……すごい嫌な感情が胸の奥底に溜まっていくのが分かった。
アンアン言わされていたのは宗田だったんじゃないか。
「確かに男に興味ないとは言ったけどさー、実際されちゃうと別だな。なにあれ。すげえ気持ち良くってさ。俺って素質あんのかな?」
人の性癖なんて知るかよ。
と言いたいけど、俺はそんな勇気もなくて。ただぐるぐると黒い塊が腹の中で渦巻いているような、そんな感覚をただ我慢するしかなかった。
だって俺が興本に何かを言えるわけもないのに、ましてや宗田は”被害者”なのに。俺の気持ちをぶつける相手はいないのだ。
「興本に、されたのか」
ようやく絞り出した声は震えていなかっただろうか。
なぜそんなことを聞いたのか自分でも分からなかったけれど。
「最初だけな。興本は途中でいなくなってたから」
興本は最後までシテいないのか……?
「な、やっぱ興本のチンコってでかい?」
「え…」
え?
「初めはさ、やっぱ痛いしキツかったんだけど、よくよく見たら興本と代わった奴、短いっていうかぶっちゃけ俺より小さかったわけ。で、どうせならやっぱデカイ奴の方が気持ち良いんだろうなって思ってさ。俺、自分のは結構イイ大きさしてると思うんだよね」
見る? なんて言って宗田はカチャカチャとベルトを外しにかかる。
「いやいやいや! 見せなくていいから!」
慌ててその手を掴んで止めるも、宗田は不満そうに唇を尖らした。
「なんで? 見ないと分かんないっしょ」
「見ないし知らないし比べる必要もないから!」
「まーまー。とりま見るだけ。な?」
「な、じゃねーよ!!」
「ケチくさいこと言うなよ。ほらほら、触ってみ」
「うわうわ! 俺の手を握るな!! 握らすなー!!」
「あ。やべ、ちょっと勃った」
「どこで!?」
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