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巻き込まれる -5-
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宗田の糸田へのアプローチはそれからずっと続いており、もはや昼飯を2組で食べるのは日課となっていた。
ただし、糸田には宗田の意図は全く伝わっていないようで、アプローチをアプローチと捉えられていないことは傍から見ていて明らかだった。
男同士なのだから糸田が気づけないのも当然だとは思うし、宗田自身がまだ告白していないのだから、よっぽど敏くなければ気づけないだろうとも思う。
そんな二人を間近で見ている俺は、純粋な宗田の行動に羨望を抱かずにはいられないのだった。
あんなにも素直に好意をぶつけられる相手がいることがとても良いなと思ったのだ。
「俺の場合…興本だからなー」
学校から帰って来た自室で、ベッドの上に横になりながら独りごちる。
天井を見つめながら思い浮かべるのは最近連絡のない興本のことだ。かれこれ一週間も音沙汰がない。
ついこの間までは3日と開けずに会っていたというのに、それはぱたりと無くなった。
今までも興本の気まぐれで日が空くことはあって、1か月間合わないなんてこともあったけれど、だからと言って連絡がなくて俺が何も思わないということはない。
いっそのこと自分から、ということも考えなくはないが、なんだかんだと最後の一歩が踏み出せなくて、結局は待っているだけになってしまう。そんな自分が男として情けなくなる。
こんな時、俺はとても女々しい男なのだと思い知らされる。
床に放ったままの鞄から携帯を取り出して、興本の番号を呼び出してみる。
出るのはため息ばかりだ。
「…はぁ…」
携帯を枕元に置いて目を閉じる。右手は自然とパンツの中へと入っていた。
3日と空けず会っていた興本と1週間以上会えていないということは、勿論下半身事情も同じわけで。かれこれ1週間以上禁欲生活を送っていたのだ。男として欲望を吐き出したくなるのは仕方のないことである。
性器を握り、軽く摩ってやると、次第に硬さを持ってくる。それを感じてパンツごとズボンを脱ぎ、手を動かしていく。
先っぽを指先で弄ると気持ち良いのは興本から教えられた。それと同時に後ろの穴もヒクヒクと物足りなさそうに感じるのだが、敢えてそれは無視をした。
「は…ぁ…」
自然と手の動きが早くなる。快楽は感じるのだが、興本と触れ合っていたほどのものではなく、とても一人でイケそうにない。
それでも吐き出したい一心で手を動かし、半ば無理矢理吐精した。
気持ち良いのは良いが、夢中になるほどでもなく、虚しさも伴う。
汚れた手をティッシュで拭き、ついでに服も着替えて再度ベッドの上に寝転んだ。
「はー…」
ほんと、何やってんだろうという気分になる。
「興本、何してんのかなぁ」
ごろんと体を回転させて枕元に放りっぱなしだった携帯を再度手に取ってみるも、相変わらず何の履歴もない画面が明るく映し出される。
電話してみようか。せめてLINEだけでもしてみようか…。
そんなことを考えているうちに外も暗くなってきた。
一人でシてしまったせいか、今どうしようもなく興本に会いたくなっている自分がいた。
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