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お仕置き -4-
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男は塚口聡(つかぐち さとし)と名乗った。俺も井瀬という名を口にすると、やはりどこかで聞いたことがあるような素振りを見せたが、塚口さんは深く言及してこなかった。
「で、井瀬クンは誰にこんなことされてんの?」
胡坐をかいて俺の正面に座る塚口さんは、持っていたビニール袋から缶ビールを取り出しながら尋ねてきた。
「え…と…」
これは正直に答えていいのだろうか。いやでも、さっきちらっと塚口さんの口から興本の名前が出ていた。そもそも興本が知り合いでもない塚口さんの部屋を勝手に使うわけもない。
何より塚口さんの目つきの悪さに反して優しそうな雰囲気に絆されて、俺は素直に答えることにした。
「興本…が、ここに…」
「興本、何?」
「あ、匠真…です…」
「ああ。匠真の方ね。で、お仕置きされちゃってるんだ? それ、抜くなって?」
「あ…はい…」
恥ずかしい。
俺は赤くなる顔を隠せず俯く。
相変わらず埋まったままの機械はウインウインと動いている。
「俺が抜いてやろうか?」
塚口さんが優しく申し出てくれるが、俺はやっぱり首を横に振った。
「だめです。…興本、怒ってるから…」
「ふーん。……井瀬クン、可愛いね」
「へ?」
少し低くなった塚口さんの声に俺は恐る恐ると顔を上げる。目つきの悪い塚口さんが楽しそうに俺を見ている。
「匠真に従順なところ。すごく可愛い。匠真には勿体ないなあ」
缶ビールを一口飲んで、唇を舐める塚口さんはとても艶っぽい。これはまずい、と俺は本能で体を硬くした。何が、というのは分からないけれど、なんだかまずい気がする。強いて言えば、エッチをする時の興本と同じ雰囲気がするのだ。これからどうやって俺で遊ぼうか、と考えている時の興本と重なって見えた。
「匠真、結構エスなところあるから、井瀬クンにはキツイんじゃない?」
今もこんなふうに放置プレイされてるし、と塚口さんは言うが、やはり俺は首を横に振る。
「確かに意地悪だけど、優しい…です…」
興本は痴漢プレイもやるし野外プレイもするけど、俺に触るときの指はとても優しい。今日も無理矢理浣腸させられたけど、俺の汚物も自ら拭ってくれた。というか、俺には一切何もさせなかった。
そこまで具体的には言わないけれど、興本が優しいことだけは伝えたかった。
「へえ? でも俺も優しいよ?」
塚口さんは興本が優しいということが信じられないとでも言うかのように言葉尻を上げた。塚口さんが信じなくても、俺はどちらでも良かった。
塚口さんがおもむろに俺の方に手を伸ばし、布団ごと俺を抱きしめる。少しアルコールの匂いがする塚口さんの腕の中は、確かに優しかった。
ゆらゆらと体を揺らしながら俺を抱きしめ、塚口さんは俺の髪に口づけた。ペットを愛でるように可愛らしい口づけを何度もしてくる。
「酔ってるんですか?」
くすぐったくて身を捩るが、塚口さんはそれさえも楽しそうに顔を寄せてきた。
「これくらいで酔わねーよ。井瀬クンが可愛いからさぁ。ほら、ちゃんと顔を見せな?」
頭を撫でられた後、その手は頬を伝い、クイッと俺の顎を持ちあげた。
あ、と思う間もなく間近に迫っていた塚口さんとの距離は、優しい手つきと共に柔らかな温もりが唇に触れるまでに縮まっていた。
「んぁ…っ」
キスされた、と思った頃にはもう布団は剥がされ、驚きで開いた口からするりと舌が入って来ていた。
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