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「あぁ。でも、あの子たちはうちの事務所の中でも優秀なαで、Ωにも多少耐性があるんだ。」
優秀なα。
俺たちΩやαにも、1人1人性質に違いがある。
この業界にはやっぱり容姿に秀でたαやΩが多い。
そのαの中でも、生まれつきαの能力が高く、簡単にはΩのフェロモンに動じない人達も稀にいるみたいなんだ。
…でも
「…それにな、悠莉。この子達を本格的に売り出すとなったら、父さんと母さんは今まで以上に忙しくなる。朝も夜もなかなか悠莉と一緒にいることができなくなる。でも、グループに入ってくれれば、事務所にいる理由ができる。それにいつも1人ではなくなるだろう?」
「…父さん、俺もう高校生だよ?」
「あぁ、そうだな。でも、俺たちにとってはまだまだ子供なんだ。心配なんだよ。」
父さんは本当に心配そうな顔をしていた。
あの日のことを忘れられないのは俺だけじゃなかったんだな、と不意に思う。
「悠莉、母さんはあなたと同じΩだから、今のあなたの気持ちがよく分かるわ。自分の体のことをどうしても受け入れられなくて、人が怖くて信じることができない。私もそういう時期があったの。でもね、母さんたちはあなたにもっと広い世界でいろんな人と出会って、生きていって欲しいの。この家の中が世界の全てなんて、とても寂しいことよ?」
…広い、世界
そんなところに俺はいけるのだろうか
……いてもいいのだろうか
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