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「ここだよ。」
健くんが1番奥の右手側のスタジオの前で足を止めた。
いよいよか、そう思い俺はガラス越しにスタジオの中を覗き込む。
ーーーーどくん、
…目を奪われた。
想像よりも遥かにかっこよく、キラキラした人たちがスタジオの中で踊っていた。
「…………す、ご…。」
俺は気づけば中の人たちに釘付けになっていた。
もちろんダンスのうまさもそうだが、1人1人の個性やクオリティーがすごい。
…それに、ドア越しでも感じる強いαの気配。
周りにいる人たちをこの空気だけで悩殺できるだろう。
…薬、飲んできて良かった。
俺は薬と比較的相性が良く、効き目がいい方だ。
薬を飲んで来なければ危なかっただろうと本能で感じる。
「悠莉くん、ここに座って。」
気がつくと、健くんが使われていない向かいのスタジオの前に長椅子を用意してくれていた。
「ありがとう。」
俺は椅子に座って、ガラス越しの彼らを見ていた。
なんか、とりあえず、めちゃくちゃ、すごい。
『それにね、悠莉。私たちはまた見たいのよ、悠莉が、1人でじゃなく、誰かと楽しそうに踊って、歌って、笑いあってる姿を。』
母さんの朝の言葉を思い出す。
…確かにこの人たちと踊れたなら、きっと、ものすごく楽しいんだろうな。
そう、思った。
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