アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
17
-
「そこで見てるだけじゃなくてさ、こっちにおいでよ!」
さっき突然話しかけてきたテンションの高い男の人が、俺の手を強引に引っ張って、スタジオの中へと連れ込んだ。
「え、ちょっ! ぅわ!」
…久しぶりのスタジオの熱気。
そして、さっきまでは俺がガラス越しに見つめていたあの4人が、今度は俺のことをじーっと見つめている。
あまりの迫力に俺は顔を上げることができなかった。
「こーら、無理やり引っ張ってきちゃダメだろ?ごめんな、ボク。びっくりしたよな?」
「ほんとですよ。それでなくても、拓人さんは馬鹿力なんですから。」
「なんだよそれー!だって、みんなもずーっと気になってたじゃんか!」
「まぁ、そりゃ、あんだけ熱い視線送られてりゃな…。」
俺の目の前ではそんな会話が繰り広げられていた。
俺、そんなに見てたかな。
「ねぇねぇ、花谿…悠莉くんだっけ?社長と同じ名前だけど、親戚とかなの?」
さっきの人がまた俺に話しかけた。
俺もおそるおそる顔を上げてその人の方を見る。
すると、その人は俺の顔を見て、目をまん丸にした。
俺の顔になんかついてるのか?
そんなことを思っていると、
「うわー!!下向いてたからわかんなかったけど、君すんごい可愛いね!」
「ほんとだ。思わず見惚れちゃいますね!」
「顔もだけど、なんか、ちっちゃくて可愛いな!小動物みてー。」
彼らが、俺の顔を見て突然騒ぎ出す。
「…な、ぅあ…や、俺、は…」
な、なんだ、急に。
俺が突然のことに1人であたふたしていると、健くんが助け舟を出してくれた。
「ちょっと、みんな落ち着いて!悠莉くんは、社長たちのれっきとした息子さんだよ。それに、ちょっと小さいけど、もう16歳だよ?今まであんまりここに来なかったから、みんなは面識無いと思うけど、悠莉くんはものすごくダンスが上手いんだ。あとで一緒に踊って見たらどうかな?」
「社長の息子!?初めて聞いた!」
「高校生には見えねーな。」
「健くんがダンスを褒めるってことは、本当に上手いんですね。」
ちょっと腑に落ちないところがあったけど、健くんのおかげで助かった。
ものすごいフレンドリーな感じだな。
そんなことより
……今、ものすごく気になることがある。
さっきから、一言も話さずに俺のことをじーーーっと見ている人がいる。
なに、俺、なんかしたかな。
ちらりとその人の顔を見ると、ずっと俺のことを見ていたのか、バチリと視線が交わった。
「お前、Ωだろ。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 78