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21《祐樹side》
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あいつが飛び出していったあと、俺は3人に言い過ぎだと怒られた。
特に伊吹は姉がΩだということもあり、俺の発言に対して激しく怒っていた。
その怒り具合は、一緒に怒っていたはずの龍と拓人がビビっていたくらいだった。
そのとき、スタジオに戻ってきたコーチが俺たちの重たい空気を感じとって、練習を中止させた。
伊吹はすぐにスタジオを出て行き、拓人が慌ててそれについて出ていった。
ふと視線を感じて顔を上げると、龍が心配そうな顔をして俺を見ていた。
「……なんだよ。」
「…あのチビちゃんもお前も、突然お前らは運命だとかどーのこーの言われたところですぐに受け止められるわけねーよな。でもな、祐樹、お前も、なんかあの子に感じるもんがあったんじゃねーの?」
「………」
「ちなみにな、誰にもいったことねーけど、俺の初恋は小学生のガキの頃で、相手は近所に住んでてよく遊んでくれた高校生のにーちゃんだぜ?」
「………まじか。」
突然の龍のカミングアウトに俺は返す言葉が見つからなかった。
「はは、まじだよ。別に俺はホモってわけじゃねーけど、女と男がくっつくのが当たり前で、それ以外は変だ、なんて考え方はただの世間の一般論だろ?」
「…ホモじゃないのか。」
「あぁ。まぁ昔は俺がおかしいのかって悩んだけどな。今考えると俺は足りない頭で考え過ぎてたんだろうなーって思う。」
「………」
「お前も、あんま深く考えすぎんなよ。あと、2人にも一言言っとけよ。俺はもう伊吹のあの顔は一生トラウマだわ。」
そういって龍は俺の頭をポンポンと叩いて出ていった。
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