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「…悠莉の本当の気持ちは?自分がΩだからとか、そういうこと全部抜きで、花谿悠莉としての気持ちはどうなの?」
……俺の、花谿悠莉としての、気持ち。
俺は、
「俺は、あの人たちとやってみたい。あの人たちと踊りたい。」
……なんだ。
いざ、口に出してみると、その言葉がストンと胸の中に入ってくる。
俺はきっと、彼らを初めてみたときから、一緒にあの中に入りたかったんだ。
一緒に踊りたかったんだ。
「…やっと、やっとお前の本当の気持ちを聞けたよ。」
父さんが安心したように笑う。
「悠莉は多分、俺たちに迷惑をかけないように色々我慢してたんだろうけど、その度に、お前の口から本当の気持ちを聞きたいと思ってた。」
「…父さん、」
「大丈夫だ。なにせ“Iris”は父さんたちの事務所のアイドルだぞ?スケジュールも仕事も、俺たちがなんとかする。…だから、心配するな。」
「……うん、父さん、母さん、ありがとう。」
父さんたちは俺の言葉に優しく微笑んだ。
……俺は、父さんたちに自分の気持ちを伝えたことで、不安が少し消え、この先への覚悟が少し出来た。
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