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初めて彼らとあった日から約1ヶ月後、俺たちはデビューまで、あと2週間というところまで迫っていた。
最初こそ順調だったが、踊りこんでいくにつれ、彼らとの体格差や、元々の練習量の差が見えてくる。
俺はそれに焦って、長年のブランクで体力も劣っている体に無理を言って、毎日のように誰よりも遅くまで居残り練習をしていた。
そんなある日のこと、またいつものように居残り練習をしていた俺は、最近疲れがたまっていて少し体調が悪いので、少し早めに上がることにした。
帰りの用意を終え、電気を消してスタジオを出ようと立ち上がった瞬間、スッと体中の血が引くような感覚が体を巡り、目の前が真っ暗になって足がガクガクと震えた俺は、思わず壁伝いにズルズルと座り込む。
「………な、にこれ…」
頭に血が回らず、手足が冷たく、ガンガンと耳鳴りもしてなかなか立ち上がれない。
それに合わせて、船酔いのような感覚になり、若干の吐き気も出てきてしまった。
「…うぅ…きもち、わるぃ…」
やばい、どうしよう。
俺は、初めての感覚と、自分が電気を消したせいで真っ暗な部屋に焦ってパニックになりかけていた。
そのとき、目の前に誰かの気配を感じた。
「…ぃ、お…だぃ…ょぶか?」
何を言っているのか聞き取れなくて、きもち悪さに返事もできなかった俺は、
「た、すけて…」
そのたった一言だけをつぶやくと、その瞬間、ふわっと体を誰かに持ち上げられた。
なんか暖かくてすごく居心地がいい。
その安心感に俺は瞼を閉じ、いつのまにか眠ってしまっていた。
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