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49《祐樹side》
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俺たちのことをずっと後ろで見ていたあいつは、練習が終わった後すぐにスタジオを出ていった。
そんな姿に他の3人は心配そうにしていたが、それぞれいつも通り自主練をして、ついさっき帰っていった。
…そして俺は、自分の中で燻っている訳の分からないこのモヤモヤを早く消してしまいたくて、みんなが帰ったあとも1人残って踊っていた。
「あれ?今日は姫いないの?」
突然ドアの方から声が聞こえた。
…振り返った視線の先にいたのは、宇野だった。
「………あいつなら、帰りましたけど…」
「なんだ〜残念!姫に渡したいものがあったのになぁ…」
渡したいもの…?
ていうか、なんで宇野がいつもあいつが遅くまで残ってるの知ってるんだよ。
まさかあいつ、宇野と夜もあってたのか?
「…あいつとどういう関係なんですか。」
俺は気づくと宇野にそう問いかけていた。
「……どういうって?」
そう口にした宇野は、怪しい笑みを浮かべていた。
「俺と姫がどんな関係でも、祐樹には関係ないでしょ。
それに、あんなこと言っちゃったら、姫に嫌われても当然だよね。」
「あんなこと?」
「“Ωってだけじゃなく、ましてや男となんて気持ち悪い。”」
______ドクン!
な、んで宇野が知ってるんだ?
もしかしてあいつが話したのか?
「姫から聞いたんだよ。」
宇野が俺の心の声が聞こえているかのように話し出す。
「祐樹と姫は運命ってやつなんでしょ?…でも、祐樹は姫のことなんとも思ってないんだよね。」
「あぁ、別に、」
____ガンッ、
俺の話を遮るように、宇野が俺のすぐ横の壁を蹴る。
…俺のことを見る宇野の目は、氷のように冷たかった。
「……そんなこと言ってたら、俺が姫のこと貰っちゃうよ?」
そう言った宇野の表情は、さっきの怪しい笑みに戻っていた。
それだけ言うと宇野は満足したのか、スタジオから出て行った。
「……どうしたんだよ。」
俺は、さっきの宇野の言葉に何かが引っかかる自分に問いかけた。
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