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52《祐樹side》
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あいつと気まずくなってから2日後、俺たちは話があるからと田村さんに呼び出されていた。
「なんだろうね~?健くんから話って。」
「さあ。」
俺の隣で同じように柔軟をしている拓人が話しかけてきたが、俺はまだ来ていないあいつのことが気になって、あまり話を聞いていなかった。
「ちょっとぉ!俺の話聞いてるの!?」
案の定拓人は俺に怒りはじめ、もういい!と伊吹のもとへ走っていった。
「…………はぁ…」
俺は、何度目かわからないため息をついた。
2日前、あいつにひどいことを言ってしまってから、あいつの涙を溜めながら俺をにらみつけたあの顔が、頭から離れない。
最近こんなことばかりだ。
気が付くと、あいつのことばかりが頭の中を埋め尽くしていく。
………これが、αとΩの、運命とかいうやつの定めなのか?
だとしたらごめんだ。
俺は、自分の中の、自分も知らない欲望なんかに振り回されたりしない。
あの人のようには絶対ならない。
絶対に。
俺がもう一度ため息をつこうとしたその時、田村さんがスタジオに入ってきた。
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