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急いで控室に戻ると、みんなはすでにジャケットを着て、ネクタイもつけ終わっていた。
俺も慌てて準備をする。
「みんな、そろそろ大丈夫かな?」
コンコンと扉をたたく音がして、健くんが顔を覗かせた。
みんなそれぞれ返事をすると、健くんは大きく扉を開いた。
「…よし!じゃあ行くか!」
龍さんの言葉を合図に、廊下へと歩いていく。
俺も控室を出ようとしたとき、くいっと健くんに腕を引っ張られた。
「こっち向いて?……、…うん、これで完璧。」
どうやら蝶ネクタイが少し曲がっていたみたい。
ありがとう、と言うと、健くんは俺の好きな優しい笑顔を見せてくれた。
なんだか少しパワーをもらえた気がする。
5人で歩く廊下は、その表情は、いつもと違っていて、いつもと同じで、みんなの背中をそっと見てみたけれど、やっぱり少しいつもとは違う気がした。
会見場前の待機場所につくと、部屋の中からは白石さんのよく通るハイトーンの声が聞こえてきた。
白石さんは、最近引っ張りだこの人気МCで、デビュー後のIris初レギュラー番組も白石さんが司会をしている。
そのための打ち合わせとかで何回か会ったけど、爽やかで面白くて、本当にすごい先輩なんだよね。
ふと隣を見ると、たっくんが壁に耳をくっつけて、中の話を一生懸命聞いていた。
…そういえば、たっくんは白石さんのファンなんだった。
そんなたっくん越しに伊吹くんと目が合って、お互いくすくすと笑い合った。
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