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「えー、それでは、大変長らくお待たせしました!カケイ事務所期待の、新人アイドルグループの登場です!!」
あれから、父さんの話も終わり、いよいよ俺たちの出番が来た。
さっきから聞こえてくる記者の人たちの声、カメラの音、その一つ一つが中の人の多さを表していた。
知らない人たちに会うということにいくら慣れたといっても、この人数は少し厳しいものがある。
そんなことを考えていると、ふと左手が暖かくなった。
「大丈夫だよ。」
そう言ってニカッと笑うたっくんに引っ張られて、扉の前に順番に並びなおす。
俺の後ろにはたっくんが、前には、あいつがいた。
2人の身長の高さに少し落ち込みそうになったが、列が動き出したので、俺も慌てて足を進めた。
______パシャ、バシャシャシャ
「新人アイドルグループ、Irisの武谷龍之介くん、水篠伊吹くん、古澤祐樹くん、花谿悠莉くん、沢田拓人くんです!」
鳴りやまないカメラの音と、フラッシュ。
眩しくて目を開けていられないけど、そんなことをすると社長に怒られるので、頑張って耐えた。
しばらくすると少しずつ収まってきて、それと同時にたくさんの視線が俺たちに集まる。
「では、まずは自己紹介をしてもらおうと思います。武谷くんから、お願いしようかな。」
少しフランクになった白石さんの言葉を合図に、俺たちの自己紹介が始まった。
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