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さっさとスタジオから出て春の空気をゆっくりと吸う。
こうやって一人になっている時間が一番楽。
誰かと一緒にいると疲れてしまうから。
悲しそうな瞳を浮かべながらゆっくりと瞳を閉じその裏にある気持ちを隠す。
今日は暖かいんだな…
そんなことを思いながら駅へ歩いて行く。
今日の夕御飯を考えながら一人、歩く。
椿は和食の料理が得意で洋食の料理は全く作れない。
俺は日本人だから別にいいんだ…
と自分に言い聞かせて洋食の料理は作らない。
本当は作れないだけなんて言えない…
椿はスーパーの中に入り必要な食材を一個一個とっていく。
今日は味噌汁とご飯だけでいいかな。
人気がある椿だが周りの人に気づかれない理由はみんなが知っている椿とプライベートな椿は全く別人のようにあまり愛想が良くない。
たまに彼に気づく人はいるが、そんなのは稀だ。
それでも綺麗な顔立ちをしている椿は何気に見られる。
まあこれぐらいでいいか。
ご飯も昨日の残りがあるし。
「ありがとうございました〜!」
椿の顔のせいなのかレジの店員は異常なほど明るい笑顔と高い声で言った。
そんなことは気にせず自分のエコバックに入れて店から出る。
洋食が食べたいな…
本当はそんなことを思いながらマンションへ歩いていく
明日の予定は3つか…
今日のドラマの撮影と、CMの撮影と、新しいドラマの撮影の打ち合わせ…
えっと確か…
そんなことを思いながら鍵を開け部屋に入っていく。
シンプルで一人にしては少し広いくらいの部屋。
家具は必要なもの以外はほとんどなく大量の演技についての本がある。
よしじゃあ味噌汁作るか。
トントントントン
手際よく料理をしながら考える。
そういえば明日の新しいドラマの打ち合わせには今大人気の俳優さんと俺が共演するんだっけな…どんな人だっけ…
あまり他人のことに興味を持たない彼はその役者の名前しか知らない。
相沢 明弘 (あいざわ あきひろ)
たしかそのドラマの内容は病弱な女の子を2人の男が取る。みたいな感じだったはず。まだ台本渡されていないしな…
そしてその病弱な女の子の役をするのは
七瀬 美香 (ななせ みか)
彼女も今人気の女優だ。
このドラマの監督は
山田 裕史 (やまだ ひろし)
彼は有名で相当な実力者だ。
今回のドラマは役者といい、監督といい、随分と豪華なキャストだ。何やらこのドラマの原作の本が今大人気らしい。
「できた。」
味噌汁とご飯を茶碗に分けテーブルで食べる。
うん、美味しくできた。
ご飯を食べ終え茶碗を洗いお風呂に入って寝る
彼はそんなことをしながら早い明日の朝へ向けて寝た。
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