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悪い夢をいつものように見る、そしてその度に起きる。
バッ!
「はっ、…はぁっ、 …また、夢か…」
毎日のように悪い思い出の夢ばかりを見る。
それでも寝るのが嫌いになれない…
それは寝るときは何も考えなくて済むから。
はぁ、はぁっ…
呼吸をゆっくりと整えてベッドから起き上がる。
数え切れないほど同じ夢を見る。
あと1時間半前までにドラマのミーティングの場所へ行かなければならない。
やっぱり30分前に来るのは当たり前だ。
律儀な性格の椿は約束の時間よりいつも早く来る。
直ぐにシャワーを5分ぐらいでさっと浴び、服を着る。準備を終わらせて外に出る。
普段は電車を使い、月に一回という回数でタクシーを使う。免許を取って自分で運転することもできるがそれはあまりやめている。
たまにあの痛みが出て事故ると大変だからだ。だから運転はほとんどマネージャーに任せている。
「◯◯◯駅、◯◯◯駅です 足元にご注意ください」
ミーティングする予定の場所の事務所へと足を動かす。
「あれ〜?もしかして秋原さんじゃないですか?」
後ろから声をかけた女性は聞いてきた。
「はい…そうですけど。」
笑顔を見せる。
「私今回共演させてもらう七瀬美香で〜す❤︎」
あっ語尾にハートが見える…
「あ、…そうでしたか。七瀬さん、今回はよろしくお願いします。確か主役ですよね。頑張ってください。」
「はい〜そうなんです❤︎ こんなかっこよくて綺麗な人と共演できるなんて。私さらにはりきっちゃいます!」
「頑張りましょうね。」
なんでこんなに甘い雰囲気を持っているんだろう。
七瀬美香は今、人気がある女優。
色気も本物を見るとさらにある。
椿は警戒心が強くて人とは極力関わらないためか、話を上手く繋げられない。
目が茶色くて髪も茶色でつやつや。
胸は大きいしスタイルもいい。
興味はないけど…
「一緒にいきましょう。」
「ええ❤︎」
ビルに着くまでに色々な質問を聞かれた。
例えば誕生日はいつだ、好きなタイプは誰だとか。
よく狙われている時に言われる言葉だ。
質問をされていないにもかかわらず彼女は自分からたくさん話をする。
好みのタイプはかっこよくて、頼り甲斐があって、体のラインが綺麗な人!!なんて言っていた。
だったら今回のもう1人の相手の方が彼女の好みだったりするのかな…、
噂で聞くけどそんな感じだったはず。
「秋原さん!多分この部屋ですね!」
「うん…じゃなくて、はい。」
間違えた…あんまり気分が優れていないのかうんとか言ってしまった。
「可愛い〜、今の新鮮❤︎」
…
ニコッとしておこう。
ガチャ!
椿が雰囲気を変えてドアを見ると、彼女はドアノブに手をかけ、開けた。
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