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「はい」
相沢明弘がカメラマンに呼ばれ写真を撮っていく。
「じゃあ笑ってください〜」
彼が笑った瞬間、周りのスタッフの女性たちがキャーキャーしだした。
「…。」
それは男性の自分から見ても魅力的な笑顔だった。
普段笑顔を見せない人が見せるのにはギャップがあるのかもしれない。
正直言って椿自身も見とれていた。
「じゃあ秋原さんも一緒に撮ります〜」
いけない。これは仕事なんだからと椿は切り替える。
相沢明弘は一瞬嫌な顔をし、無表情になる。
話もしたことがないのに、なんでそこまで嫌うんだろうか。
椿は疑問を抱きながらも、仕事に専念する。
パシャパシャ
「2人とももっと近寄って〜」
はあー
一瞬ため息が聞こえた。
そんなに嫌なのか…
俺もこの人のことは好きにはなれないな。
そもそも人を好きなるのも絶対に無理だと思う。
ていうか、出来ないんじゃない、してはならない。
ズキンッ
「っ…」
こんな時に限って痛みが身体を貫く。
椿は誰にも気づかれないように、笑顔をキープした。
苦しい。もう早く、終わらせたい。
1秒、1秒が椿にはとても長くに感じられた。
「はいじゃあ、今日は終わりです。」
ペコッと挨拶をして早足で、トイレに入った。
「っはぁ、…っ、は、っ…」
椿はポケットに入っていた薬を飲みしばらくしゃがみこんだまま、落ち着くのを待った。
椿は薬を必ず、撮影用などの服に着替えた時でも薬を持ち歩くようにしている。大抵、ポケットがある洋服が多いのでそこに入れて持ち歩いている。
危なかった…
多分誰にも気づかれなかったと思う。
てかそもそも気づかれたとしても、どうでもいいよな。
数分くらいして落ち着いた椿は服を着替えて家に帰る。
あんまり無理をしないほうがいいよな…
まあでも自分なんてどうでもいいかもな…
でもそんなこと言ったらマネージャーの陸が悲しんじゃうよね。
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