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椿の今日の仕事は昨日のドラマの撮影、七瀬美香、相沢明弘との撮影。
今日の仕事はそれだけで、そのドラマの撮影を長時間撮るつもりだ。おそらく二人とも今日の予定も椿と同じだろう。
仕事に支障がでないように、薬を多めに持っておこう。
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「おはよう!秋原くん!早いね!」
「はい、おはようございます。」
山田監督は朝からハイテンションで、椿はとてもついてはいけない。
それからすぐに七瀬美香と、相沢明弘が来た。
「おはようございます、秋原さん❤︎」
七瀬美香もハイテンションで挨拶をしてきた。
「おはようございます。」
読んでいた台本に目を向けたまま、返事をした。
ここのセリフは…
台本を読んでいたらこのセリフはどうすればいいんだろうなどとわからなくなってきた。
ここは怒るべきか?悲しそうに言うべきか? 素っ気ない感じ?
…
「山田監督、ここのセリフはどう演技をすればいいんですか?」
監督に質問を問いかけた瞬間、相沢明弘と目があった。
それは氷のようなとても冷たい目だ。
「あっ秋原くんここはね〜」
監督の話をしっかりと聞きながらも、なぜそんなに彼に嫌われているのかがとても気になった。
「ーと言うことでいい?」
「はい。ありがとうございます…」
なぜそこまで嫌うのかを聞いてみるべきか。でも話しかけても無視されそう。
そのまま淡々と撮影が終わり、監督が最悪なことを言い出してきた。
「ねえねえ。みんなこの後もう帰るだけでしょ?」
全員頷いたのを確認してじゃあいいよねと電話をかけ始めた。
「オレオレ!今玄関にいる?わかった。じゃあ後で〜」
ピッ
そして次の人物にも
「オレオレ!あっそうじゃあいいのね。じゃあ後で〜」
そしてまた次の人物にも
「オレオレ!えっもう聞いた?さすが!じゃあ今から行くから。」
オレオレばっかり言っている監督はまるでオレオレ詐欺をしているかのようだった。
何もすることがなくただ監督の言葉を待つだけの椿はただ突っ立っているだけで、
周りをみるともうほとんどの人が帰っていて、そして七瀬美香が相沢明弘と話していた。
しかも相沢明弘は笑ってはいないが表情は柔らかい。
まあ普通は嫌われてはいなければああだよな。
一瞬感じた痛みは気のせいだと思った。
「じゃあみんなで飲みに行くよ!」と山田監督が嬉しそうに言っている。
七瀬美香は嬉しそうだけど俺は嫌だ。
よく考えたらさっき監督が電話していたのは飲みに誘っていたからか。
「椿ー!」
椿の聞き慣れているはしゃいだ声が自分を呼んだ。
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