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「相沢さん。俺が男を好きなんて気持ち悪いですよね。ごめんなさい。変なことを聞かせてしまって。」
と作り笑いをしながらも涙目で笑ってみせる。
「いえ…大丈夫ですよ。」
と相沢明弘はちょっと眉を下げて優しく笑った。
その笑顔が何故か椿には彼が無理して笑っているように見えた。
当たり前か…
どうせ軽蔑されて嫌われるなら最後くらい攻めてやろうと思った。
立ち上がって相沢明弘の手を引く。
「どうしたんですか?」
とビックリしたように手を払わずついてきてくれる彼の優しさに謝る。
人気のないところに連れてこられて彼は何をされるのか全く分からないだろう。
彼を壁に追い詰めて自分より背が高い相沢に背伸びをした。
そして最後だと思いながら優しくキスをした。
「、相沢、さん…」
気持ち悪いと思われても、当たり前のことをしている。
光岡隼人のことが好きだと言ったのにも関わらず、他の男にキスをしている。
「!」ただ相沢明弘は予想もしなかった出来事に硬直して目を見開いた。
椿は一滴の涙を流しながら目を瞑って拒否されるまでキスをしようと思った。
背伸びをしながら一生懸命相沢明弘に届こうとしている姿はとても儚かった。
…
拒否されても怒られてもいいはずなのに、睨まれて罵倒されてもいいのに何にも抵抗をされない事に
「っ…!」
驚いて口を離した。
相沢明弘を見るとただ悲しそうな目をしていて逆に自分が驚かされた。
そして優しく抱きしめられて椿は何も言葉が出なかった。
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