アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-33-
-
朝起きると肩や、手が痛んだ。
そしてその傷をを見ると昨日のことを思い出した。
「隼人…さん…」
「ああ、おはよう!悪いな、傷口痛むか?」
と明るく話しかけてくれる。
「はい、俺が悪かったから…」
と椿は返事をする。
そして昨日は彼は自分を抱かなかったのだとその事実に隼人の優しさが伝わってきた。
確かにあのまま続けていたらダメだったと椿は思った。
「椿。俺は仕事に行くから一人で帰れる?場所はわかるん?今日休みとか言っとったっけ?」
「大丈夫。」と椿は言って「ありがとう」と光岡隼人にお礼を言った。
そしたら彼は苦笑し「飯は作っておいたからよかったら食べてって!あとそれと家はオートロックだから鍵はかけずにそのまま出てええから!」と言って家から出ていった。
「本当に優しいな… 」
優しさを感じると同時にまた涙を流して、なんども心の中で謝った。
多分彼がいなかったら今頃もっと、荒れていただろう。
感情に制御がつかなくなって全てがグチャグチャにならないように光岡隼人が支えてくれた。
相沢明弘さんにも悪いことをした。
あんなふうに無理矢理キスをしたのに怒らないでいてくれた。
もしもあそこで拒否されていたら自分はどうなっていただろう…
いつも人形のように動いてきて常に演技をし、人に嘘をついてきた椿には初めてのことがいっぱいだった。
椿の心を全部揺さぶるのは彼への恋心だ。
彼に好きと言われたいと思ってしまった。
でもその気持ちを伝えたくない。
伝えたい。
伝えられない。
大切なものが俺にできたらきっとあの人たちに傷つけられ奪われるのだと椿はわかっている。
もうあんな思いはしたくはない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
34 / 563