アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-38-
-
赤くなっている椿と陸とは正反対に以外にも冷静な藤原と相沢がいる。
「明弘…」「つ、つばき…」
陸と拓海は玄関で立ったまま。
「拓海…」「…」
椿と相沢はそのまま。
椿は自分がしたことだからなおさら顔があげられない。
それにマネージャーに男同士でこんなことしていて、どう思われるかも怖くて見られない。
「椿ってば大胆…❤︎」
と意外な反応にビックリした。
もっとキモいとか普通は言うけど…
「お前らってそんな仲…「違います!俺が迷惑をかけただけです!勝手に…俺が…迷惑かけて…ただけです…っ…だから、相沢さんは…何も悪くありません…」
「椿…」
陸は椿の事情を知っているため椿のした行動が大体わかった。ちょっと悲しそうに名前を言う陸に椿は黙って相沢明弘のシャツを掴む。
明弘が自分を嫌がるまでは離したくはないと椿は冗談でもそうしたかった。
でもそんなことは無理だといい加減離れて冷静な自分を演じる。
「…っすみません。俺の事情に付き合っていただいただけです。 まあ…とりあえず、こんな所で何ですのでリビングに行きましょう。」
と華やかに笑顔を見せた。
多分このときこの笑顔が嘘かどうか見破れたのは相沢明弘だけだった。
椿はお茶を出しソファーに座る。
「あのさ、椿…、っ、…ううん。何でもない。」
陸は言おうとした事をやめた、だって椿が悲しそうな顔をしていたから。
そんな空気の中、藤原拓海は椿に質問をした。
「あのさ。間違ってたら悪いんだけど秋原さんって秋原財閥の家系の人?」
「「「!」」」
それに反応したのは3人で相沢明弘はその瞬間顔をしかめた。
それに疑問を抱いた椿はまさかという考えたくもない可能性を考えてしまった。
陸同様に同じ事を椿と思っただろう。
「まさか相沢さんって相沢財閥の…」
「ああ…」
全員暗い雰囲気になって椿は目線を下に落とす。
なぜならその2つの家同士の仲が良くないからだ。
家同士が仲が悪いのなら自分たちも関わってはいけない。
仲良くなってしまったらそれこそ最悪だ。
椿の相沢への気持ちに薄々気づいている陸が一番辛そうな顔をしていた。
椿はただ無表情で黙っていた。
家系的に家同士が仲良くないのならば彼のこと好きじゃなくなるかとか思ったけど恋とはバカなことに相沢明弘が好きな気持ちは全く変わらない。
最近椿は冷静を保てなくなって感情が左右されやすい。
「ごめん。変な話をしちゃったかな。」
「いえ、いずれ分かることなので。」
… 多分こういうことは最初からわかっていた方がいいと思う。
しばらく沈黙があったと思ったら陸が突然、「二人って付き合っているの?」と追突に聞かれた。
「えっ…」と硬直してしまった椿に変わって相沢明弘が答えてくれた。
「いいえ。秋原さんは別の人と付き合っていますよ。
「は!!えっ… 誰!?」
と一番驚いているのは陸。彼は異常なほど驚いている。「だって椿は…むぐっ」相沢明弘が好きなんだよと危うく口が滑りかけたので椿が口に手をつけて抑えた。
「えっそれって言っちゃいけなかったの?」と椿の手を離しながら子犬のような目で椿を見た。
椿はこの表情に弱く、特に動物とかにも弱い。
「もう、2度と言っちゃいけないから…」陸から目をそらしながら言った椿にふっ単純と笑みを浮かべる。
陸は明るく振舞っていたが本当は椿のことを考えたらとても切なかった。
椿は相沢明弘が好き…
だからさっき、嫌われる事を承知で相沢さんに迫ったんだろう…
それに今初めて知ったけど相沢さんは相沢家の人間で、秋原家と相沢家の仲はすごく悪い。
なんで椿ばかりこんなに苦しい思いばかりしているんだろうと陸は手を握りしめる。
椿は体が普通よりも弱い…痛みは感じやすいし、体調が悪くなることなんて多い。それに今は右腕怪我してるし…
何でここまで椿ばっかり辛い思いしているんだと半分何処かで自分への悔しさが陸の中にあった。
陸は椿の家に出入り出来る人間で昔から彼らとはよくしてもらっている。
「… 悪い 俺もう帰るわ。」と藤原が陸の気持ちを察したのかそう切り出した。
「ああ。 秋原さん、お邪魔しました。」
と相沢明弘が丁寧に挨拶を言ってくるものだから椿は自分が悪いのにと思った。
「相沢さん… すみませんでした。」
と謝るが許してくれるはずがないと思う。
流石にこんなことしたら誰だって怒る。
「秋原さん、そんなに気にしなくていいですよ。ただ…もしさっきみたいなことをするとしたら他の人にはやらないでくださいね。秋原さんは綺麗だから。」と優しく言ってくれた。
その言葉がどれだけ椿には嬉しいか誰にもわからないかもしれないけど椿はああ、やっぱり俺はこの人が好きなんだなと自覚した。
「あ〜、なるほどね…」と拓海が椿の気持ちに気がついた。そして陸も「わかりやすよね。」と言った。
確かに椿は感情が顔にあまり出ないためわかりずらい。それでも相沢明弘の前では他の人には見せない顔を見せ、感情が左右されているのが目に見える。
「じゃあね、拓海。俺は今日は椿のところに泊まるから」と椿には見えないように陸は拓海にキスをした。
「ああ。じゃあな。」と拓海が陸を撫でて相沢明弘と一緒に帰った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 563