アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-44-
-
「そんな顔椿でもするんだ…」
要は誰にも聞こえないように一人つぶやく。
それと同時に要は椿に嫉妬している自分に気がついた。
は?なんだ、この感情…
そして相沢明弘に椿より自分を選んでほしいと思ってしまった。
「椿、大丈夫?どうしたの?」なんていつもは絶対に優しくなんてしないのにそんなふりをする。
それを不審に思った椿はさらに後ずさりをする。
「だ、大丈夫です…」
椿の様子を見て要を絶対に相沢明弘を手に入れたいと思った。
でも自分が絶対に勝つ。
そう思った理由は、椿は相沢明弘を好きになったとしても告白するようなことはしない体。
だって椿はそれを許されない。
「明弘さん、そういえばお仕事ではどんなことをされているんですか?」とニコニコしながら腕を組む。
こういうふうに絡む人に慣れているのか嫌そうな表情をしても特に振りはらわないで答えてくれる。
へぇー俺みたいなやつに色目使われても落ちないんだ。
要は相沢明弘のことがもっと知りたいと思っていると同時に椿の表情を楽しむ。
「…モデル、撮影… とかです。」
「だからなんだ!やっぱりかっこいい顔をしていますね!すっごくかっこいい!僕、よく明弘さんをテレビや雑誌やあちこちで見ます。でもあんまり人気とかは興味なさそうですよね!」
「…あんまり興味ないですよ。そう言うのってどうでも良いじゃないですか。」
「あはは、そんなこと言ったらほとんどの人たちを敵に回しちゃいますよ〜」
「…まあ、そうゆうことにはなりますね。」
椿はうまく会話を成り立たせられる要が正直言って羨ましかった。
しかも要は誰から見てもかわいい…
それに比べて自分は
「可愛くないよな〜」
「だろ〜」
「はははっそういうのって最悪だよな。特にうまく笑えないやつとか最悪。嘘つかれてるとかないわー、」
「…、」
聞いているつもりはなかったけど、後ろの人が話している会話聞こえてしまう。
自分は未だに相沢明弘に光岡隼人のことを嘘ついている。それにいつも笑うけど心から笑っているわけじゃなかった。やっぱりこういう自分は誰にも好かれないな…
いや、そもそも好かれるとか好かないとかそういう問題じゃない。
だめだ、これ以上好きになっちゃ…
感情をなくさないと…
椿はゆっくり息を吸って演技をする。
やっぱり自分は演技がないと人には好かれないんだと思いながら。
「…俺みなさんに挨拶をしてきますね。」
二人から逃げる口実を作って無理やり笑顔をキープする。
「うん、いいよ!じゃあね〜」
こんな風に気さくにわざという要なんか無視をしてさっさと歩く。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 563