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要は多分、自分が相沢明弘に告白をしないことを分かっている。
あの様子じゃ確実に要が相沢明弘に惚れている。
そう感じた理由は、要が彼に向ける目が全然違う。
それは双子だからわかるのか…
双子というのは自分にとって辛いことだ。
似ているようで似ていない。
比べられて同じだと思われる。
自然に相手の行動と反対に動いてしまう…
本当に自分たちは正反対だと椿は思う。
「あれ、秋原家の方じゃないですか。えっと…要さんかな?」
知らない人だけど自分の家とは関わりがある人間だということはわかる。
「いえ、自分は椿です。」
こうやって要と自分を間違われる。
「あーすみません。そうですか、やっぱり似ていますね〜 さすが双子!」
こんなことを言われると虫唾が走る。それでも冷静を保って笑顔を向ける。
「椿さん、あなたは綺麗な顔立ちをしているんですね。それとは違って要さんはかわいい感じの方ですよね。」
また要がかわいい、かわいい、とみんな言う。
「はい、よくそう言われます。」
「おっと、失礼、自分はもう行かないといけないのでね。じゃあまた。」
にこっとおじさんに笑顔を向けてまた同じようなことかとため息をつく。
要は確かにかわいいを演じている。
でも自分は演技でも、どうしたってかわいくなる方法がわからない。
こんな性格じゃ可愛いもないか…
たまたま遠くにいる相沢明弘と要が目に入ってしまって彼を気づかれないように見つめてしまう。
そして相沢明弘が優しい顔で笑った瞬間を見てしまった。
「っ、…」
ズキン…
そんなふうに要に笑わないでと思った。
なんの話をしているかはわからないけど優しい表情になっている
嫌だ…
そんな顔をしないでよ…
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