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相沢明弘は今まで椿が見たこともない優しい笑顔で笑うから、椿はそんな顔するんだとびっくりしつつもその顔が自分に向けられていることに酷く嬉しくなる。
「俺結構深く噛んでしまったので…本当に申し訳ないです…」
「こんな怪我くらい大したことないんで。」
「こんなって…」
相当痛いはずなのに…
「心配性なんですね」
相沢明弘と目と目が合う。
やっぱり椿の鼓動は収まらなくて、焦る。
「と、とりあえず手を洗ってください!」
そう言いながら部屋を見渡すと
「えっ…すっごい広い…何処、ここ?」
「さっきのパーティと同じ所のホテルです。」
「えっあ…はい…」
そしたらとても高い。しかもとてつもなく広いから料金はただ事ではないだろう。
「料金は俺が…「大丈夫です。」
さっきから何から何までお世話になってしまう。
しばらく椿は黙って抵抗をするのは無駄だと考えたのか手を洗いに行こうと相沢明弘を引っ張る。
おかしい状況だが広い部屋で手を引っ張りながら手を洗いに椿はいく。
「椿さん…「俺が洗ってあげますね。 そうさせてください。」と言って優しく掴む。
片方は傷口だから、水を流してもう片方の相沢明弘の手を洗う。
まあどうしたって手を洗ってあげるにしても、相沢明弘が椿の後ろに覆い被さるような感じにはなってしまう。まあ相沢明弘の方が身長は高い。
自分の心臓の音が聞こえないだろうかと椿は緊張する。
「あ、相沢さん…傷口の方の手、石鹸つけないので水で洗ってもいいですか?」
「はい」
よく考えたら自分で洗えるだろうが椿はそんなのは無視する。
水にゆっくりとつける
やっぱり痛そうだ。
結構傷が深く、何かで抑えないとまた傷口が開くだろう。
少し水にさらした後タオルで拭く。
そして自分のバックの中にある絆創膏をたくさん掴んで相沢明弘のところへ持ってくる。
「多い、ですね。」
驚いているのは当然だ。なぜならその絆創膏は可愛いからだ。
たくさんいちごの柄がある可愛い絆創膏。
「も、もらったんです…」
嘘をつくけどすぐに見破られるだろう。
なぜならこんなにもらうわけがないからだ。
「好きなんですか?いちご。」
「っ…はい… 絶対に!絶対に、秘密にしてください。」
「っふふっはい、いいですよ…」
笑っている。
「可愛いですね椿さんは。」
そう言いながら頭を撫でられた。
ドキッ…
いつまでも二人きりでいたいのにと叶うはずもない願いを祈る。
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