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相沢明弘に光岡隼人とは付き合ってはいないというと…
「付き合ってないんですか?」
と驚かれる。
「はい。すみません。」
嘘ついてたことがバレちゃったと言うかこれ以上隠せなかった。嘘つきだって言われたらどうしようと不安になる。
「そう…ですか…」
怖くて顔を椿はゆっくりと見ると逆に驚かされたのは自分だった。
なんか安心したような顔をしているものだから。
勘違いをしそうになる。
「なんで…」
と言いかけてやめる。
「椿さ、…秋原さん」
呼び方を変えられてもう自分は彼を「明弘」と呼ぶ口実がなくなってしまったことに残念に思う。
普通に呼び捨てでいいよ、なんて言えない…
要だったら言えるのに…
自分と要を比べてしまうのも本当はとても嫌だ。
どうすればいいなかわからなくて
とりあえず乱れている服を椿は直す。
そしてバスルームから二人は無言で出た。
っどうしよう…今二人っきりだ。と今頃椿は緊張してくる。
「そういえばさっきなんか落としましたよ。」
とポケットから椿が毎日飲んでいる薬を出す。
「あっ…」
椿はそれがないと大変だ。
「どこか具合でも悪いんですか?」
「あ、えっと… それは大切なものです。前にも言いましたけど俺…その…体が弱いんです。だから毎日それを飲まないと生きていられないぐらい大切なものなんです。」
「毎日…ですか…」
本当はこんな弱みを握られるようなことは人には簡単には言わないが相沢明弘だけは特別。
「秘密にしてくれますか?」
「はい。」
椿は彼を信用している。
誠実でまっすぐな人だから。
「もしこれを飲まないと、息ができなくなって全身の痛みがさらに酷くなるんです。…っ自分の体って本当に不便ですよね。」
と無理に笑う。
「そんなことはないです。誰にだって事情はありますし、不便だなんて思わないでください。秋原さんは華奢で綺麗な体型をしていますよ。」
そう言ってくれる相沢明弘に椿は救われた気持ちになる。
単純だが彼の言葉一つで少し自分の体が好きになった気もする。
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