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『椿、大丈夫かなぁ』と陸は心配する。
要さんがまた椿に何かしようとしているかもしれない。
いくら実の兄弟でもこんな風になって敵対してしまったらそれは家族とは言えるものなのだろうか…
要さんの気持ちもあるんだろうけどこの中で一番辛いのは椿だということはわかっている。
でも自分にはそばにいる以外何もしてあげられない。
陸は要の近くへ行って聞こえないように話す。
「要さん、椿にこれ以上余計なことしないで。いい加減に…」椿に酷いことをしないで…
「うるさい。陸、僕の味方しないのはわかっているけど…」
「そういうことを言っているんじゃなくて…」
「じゃあ何?」
「椿がどれだけ苦しんでいるのかわかっているのかって聞いてる
の。」
「ちょっと、何話してんのかはわかんないけど俺の陸をいじめないでくれる?」と拓海が入ってきて陸を抱き寄せる。
「なっ!拓海!」
陸が顔を真っ赤にさせてびっくりする。
要はやっぱりという顔をしながらしかめる。
「いじめてないもん。話してるだけだもん。」
「そ、そ、そうそう。」
陸も慌てながらいうもんだから拓海は笑う。
遠くで椿はこのあいだの陸と拓海のことを思い出してお茶をこぼしてしまった。
バシャッ
「?なんで椿そんなに動揺しとる?」
光岡はティッシュをとって椿に渡す。
「まあ色々あって…」
と椿は陸達のも思い出したが相沢明弘とのことも思い出す。
そういえば潔癖症って言っていたけどこの間も悪いことしてしまったなんて思う。
「秋原さん、俺陸と先に帰るんでお邪魔しました!」と陸を連れて玄関へ行く。
「いやー!つーばーきー!」
陸は必死に抵抗をしているが椿はそれを見送る。
藤原さんは大丈夫だという安心があるから。
「大丈夫でしょ、じゃあね。また明日。」
と椿は手を振る。
「お邪魔しました。じゃあな!」
「いやー!」
ガチャン
ドアが閉まって一息つくがまだ厄介な奴が一人いた。
秋原要がまだいる。
「光岡さん、相沢さん、もうちょっとゆっくりして言ってくださいね」という椿の横で「えー僕は歓迎されていないの?」なんて楽しそうにいう。
「はいはい、要もどうぞ勝手に。」
「やったー
ていうか椿の部屋ってつまんない!料理道具、日用品、ドラマの勉強系のものしかないんだもん。」
「ちゃんと勉強してるってことはいいことやな!」
「そうですね。これとか俺も持っています。」
「へー相沢さんも持っているんですか?勉強になりますよね。」と椿は何気に嬉しく思う。
「どれどれ、俺にも見せてみ!」
光岡は本を椿から受け取って読んでみる。
「ここのページとか…あとここも。」
「へー。」
要は全く話には入ってこれず軽く椿に怒る。
そして部屋を見渡した時に要はあるものを見つけた。
数々の医療品。
その中に昔要があげた石のネックレスが大切にされているのか綺麗にガラスの箱に飾ってあった。
『自分の薬ぐらい大切なものなのかよ。』と要は動揺しつつもイライラする。
「あのさ椿っ!…」
その椿の大切なもの達を見つめながら怒りを含んだ声で言う。
「なんですか…?」
「なんかいいのでも見つけたか?〜」
光岡隼人が興味本位で聞く。
「なんでまだこんなの持ってんの?捨てられないなら僕が捨ててあげるよ。」と椿に笑顔で言う。
「っそれはダメです!」
椿が要がなんのことを言っているのか理解した瞬間椿が珍しく慌てるもんだから要は少し驚いた。
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