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「陸。大丈夫?」
「…当たり前じゃん、椿に比べたら俺なんて全然元気。」
「そっか。」
そう言いながら拓海は椅子に座る。
「…相沢さんには知られたくないよね。」
「…まあな。あいつって結構椿のこと好きだよな。」
「結構どころじゃないよ、溺愛だよ。」
「…否定はできないな。まあだから言ったらあいつ心配しちまうからな。」
「うん、しばらく椿は仕事を休ませるよ。本人が反対してもね。」
「ああ。」
「拓海…悪いけど俺は相沢さんには椿のそばにいてほしい。まだ出会って全然時間経ってもいない。
それでも、俺は二人の気持ちに気づいている限り、無視したくない。
本当に会いたい時に、触れたい時に一緒にいないと後悔する。
俺がそうだったように。見ていて椿が唯一心を許せる相手だと思ったよ…」
「…」
「好きな人にしか見せない顔ってあるじゃん。」
俺じゃあ逆に気を使って無理させちゃうから…
「椿は俺には弱音なかなか吐いてくれないんだ…その原因が秋原誠也さんだけどね…」
「…、わかった、じゃあはい、これがあいつの電話番号。」
拓海が紙に書いて渡す。
「ごめん、ありがとう。じゃあ電話してくる。」
そう言って陸は電話できる場所まで来て一回一息ついてから電話をかけた。
ピリリリッと何回かコールが鳴った後に出た。
『はい、相沢です。』
「相沢さん、香川陸ですけど。」
『…やっぱりなんかあったんですね。』
「えっ知ってたんですか?」
『いや、昨日拓海の様子がおかしくて。それより秋原さんに何か…あったんですか?』
一瞬やっぱり彼に悪いかと言うのをやめようとしたがやっぱり言うことにした。
「…昨日椿が倒れて今〇〇病院に…『っ…そうですか…伝えてくれて、ありがとうございます。』
と言って直ぐに電話は終わった。
あまりにも早く電話が終わって相沢の焦った感じが電話越しでも伝わってきて陸は逆にホッとした。
相沢さんが椿を本気で好きでいてくれることがわかったから。
最初は椿をもてあそぶやつだったら許せないと思っていたけど相沢さんは全然違った。
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陸は涙をずっとこらえていた。
仕事をしていたようだから迷惑をかけてしまったと思っていたら、思ったよりも早く相沢さんが部屋の前に来て彼に椿の状態を話した。
その話を黙って聞いてくれる。
陸はドアを叩いてそっと開ける。
「拓海…、相沢さん。」
「あっ明弘?お前今めちゃくちゃ大事な仕事してなかったか?もう少し後で来ると思ったのに。」
「えっそうなの?」
そんな陸と藤原の言葉が耳に入らないのか椿の近くへ行く。
椿を見てみんな驚くけど彼は驚く前に「秋原さん…」と心配そうな表情を真っ先に浮かべていた。
「えっ…」
拓海は見たことがない明弘に驚いて固まる。
「仕事もほったらかして、焦ってるし、こいつが優しいし、無表情じゃない。」
拓海は後ずさりして二人きりにしようと部屋を出てった。
陸もそれについて行った。
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