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「あっ相沢さん、別に敬語じゃなくていいよ。
で、本題に入るんだけど椿が倒れた理由はもう二人とも聞いてるよね、昔から俺は幼馴染みたいな存在で椿の医療系のことは小さい頃から見てきた。その時は俺の父が椿の担当医だったからね。」
春日秀吉は思い出すように続ける。
「昔から弱かったけどだんだん椿のお父さん、秋原誠也さんがすることはエスカレートしている…。確実に。これは俺の勘だけど今回のことも仕組まれているよ。
後で確認したんだけど椿が倒れた部屋に薬が落ちていたんだよね。
…
多分俺の予測では1回目は医者が秋原誠也さんに命令されて椿に命に関わるほどの量は打たなかった。
でもその後に他の誰かが秘密裏に一定を超えちゃいけない量の薬を椿がいる部屋に置いた。でそれを椿は使った。これは秋原誠也さんが仕組んだことだよ。」
「…秋原誠也さんが…うん、あの人ならやりそう…」
陸が悔しそうに呟くのを見て頷いてから話を続ける。
「ねえ、なんで秋原誠也さんはその医者に2度目を打つようには言わず、他の誰かが代わりにおいたの?」
陸の目をまっすぐみて春日は窓を見る。
「秋原誠也さんはその医者には知られないようにしたかったからだよ。
だって命に関わる量を知っている医者なら椿に2度目を打つことを全力で止めるから。それとその医者たちのことはよく知っている。なぜなら俺は秋原家の医療のことはよく知ってるからね。」
「それと…
秋原誠也さんは椿がその薬を使うだろうと知ってたんだろうね。だってどう考えても普通より痛みを感じるこの子が、さらに痛みを感じるなんてそんなの耐えられるわけがないじゃん。
そしたら唯一楽になる方法は意識を手放すしかないから自分で薬を打つしかない。」
「…」
陸は黙って下を向いている。
「じゃあ今回のことは秋原誠也さんが全部しくんだってことか?…」
相沢の言葉に少し黙ってから春日は答える。
「…そうだね。」
「でも例え俺が真実を知っていたとしてもどうすることもできない。相沢さんならわかるよね。」
春日は明弘が相沢家のものだと知って彼に向かって言う。
相沢明弘は家の権力を握っている人物がどれほど力を横暴に使えるのか知っている。
だから秋原誠也の行動は許されてはいけなくても全部なかったことのようにされてしまう。
「…。」
「まあ、3日ぐらいで起きるんじゃない?大丈夫。俺優秀な医者だから。」
「うん、わかった。」
陸が答える。
「今ちょっと注射を打っておくね。でも椿には結構痛いんだよねこれが…」
苦笑いで春日が言う。
春日が椿に近づいて腕を掴んで椿の腕に注射を打つ。
「っ…」
椿はとても痛みを感じているらしく、腕を動かそうとするが春日が腕を抑えてしばらくしたら注射を抜いた。
「ごめんね。」
部屋はシーンと静まり返っていて陸は「もう帰るね」と言って部屋を出てった。
「よかった…」
春日がそう呟いたから相沢は聞き返す。
「だって今の椿には支えてくれる人がいるんじゃないかな。心配してくれる人がいる。相沢さんは椿のことが好きなんだね。見ていてわかるよ…だって椿に見せる表情が違う…なんか柔らかい感じに見える…」
「そう見えるんですか…?まあでも…当たっています。」
椿を優しい目で見ながら少し笑う。
「もしも椿のこと好きならこれからが困難だよ。でも俺は反対はしない。むしろ応援!」
「ありがとう。見た目はチャラいけど中身はいいやつなんだな?」
冗談交じりに相沢が言う。
「もう!…っていうかよく言われるよ〜」
「そうか。」
「うわっ無関心〜」
そんなこと言いながら春日は笑う。
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