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椿はゆっくりと目を開け、ぼやけている視界の中で誰かが、いや…なんとなく自分の好きな人が椿と呼んでくれた気がした。
頭がはっきりしてくるが少し頭がいたい。
そして目の前に少し驚いている相沢明弘の姿があった。
「あ…相沢さん…?」
「…はぁ。よかった。目が覚めたんですね。」
驚いていたがすぐによかったと言って安心した顔をする。
目覚めて明弘の顔を一番に見えるなんて夢なのかと思った。
でも夢にしてはリアルすぎる。
「…」
そして椿は自分の手の違和感に気付いて驚く。何故なら相沢明弘と恋人つなぎになっているからだ。
触れた肌から自分の心臓の音が聞こえそう。
顔がだんだん赤くなっていくのがわかっていても、自分の熱を止めることができない。
相沢も気づいたのか手を離そうとするけど何故かそれを椿は全く力が入らない手で止めた。
「、…」
弱々しい力しか出なかったけど気づいてくれたようだ。
相沢明弘も照れているのか少し横を向いて目をそらしている。
「…春日さんを呼びますか?」
そう椿に聞くがもう少しこのままで居たいと首をゆっくりと横に振る。
「そうですか。」
椿は明弘が人と触れるのが好きじゃないことを思い出す。
「…あ、相沢さん、…手を繋ぐの…嫌だったら離してください…」
「平気です。」
そういってくれたことに少し安心する。
そして一つ疑問に思ったことを聞く。
「じゃあ仕事は…大丈夫ですか?」
「…まあ今日は…仕事はないですよ。」
相沢は椿のことが心配で全部仕事をキャンセルしたなんて罪悪感を作らせるようなことは言いたくなくて今日の仕事はないと言う。
「そういえば秋原さんは自分が倒れた理由を覚えているんですか?」
「、…はい。」
椿は思い出すだけでも怖くてまだ力が弱い手で強く手を握る。
そしたら相沢明弘も優しく握り返してくれる。
「大丈夫です。」と言ってくれる。
ドキドキ心臓が確実に早くて恥ずかしいのに明弘の手を離せない…
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