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椿は携帯の画面とにらめっこをしていて、今現在、相沢明弘の連絡先をじっと見ている。
会って話したい…
椿の中で会いたい気持ちと電話をかけるのが怖い気持ちが交差していた。
メールだと余計に相手の反応が見えなくて怖いから電話で話した方がいいと思う。
それでもボタンを押す勇気が出ない。
でも会いたい。
声が聞きたい。
もう、うじうじ携帯を握ってても嫌だったから椿はボタンを押した。
プルルルル…
怖い気持ちが椿の中でいっぱいになる。
何階かコールして電話に出てくれた。
『はい、相沢です。』
ドキッ…
かけて来た相手が椿だということは知らないようだ。
『…?』
ちょっとやっぱり話すのは怖くて、だから深呼吸をする。
『明弘さーん!僕来ちゃいました❤︎』
っ…
急に要の声が相沢の電話から聞こえたもんだからびっくりしてしまった。
『…はぁ…なんで来てるんですか?自分の仕事はどうしたんですか?
えー だって明弘さんの仕事姿を見たいんだもん。別にいいでしょ?嫌って言っても見ちゃうもんねー。』
要が強引に相沢さんの仕事について来ているということはなんとなく今の状況でわかったけどこれ以上聞いていられなくて電話を切ってしまった。
「…、」
要、楽しそうでなんだか羨ましかった。
あんな風に気軽に話したりするのは自分にはできない。
携帯をテーブルに置いて静かに椿はうずくまる。
むしろよかった。自分だとバレなくて…
要は本気だ…
でも自分はいくらどんなに要より相沢さんが好きでもそれは許されないと思う。
秋原誠也が椿を縛る限り。
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