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なんで要が相沢さんといるんだろう…
なんとなく二人の距離が近い…と言うより要が近づいているだけだけど相沢さんも要が近くにいることを許しているような気がする。
なんだろう…
そういえばこの間電話かけたときも要がいて結局自分から電話を切ってしまった。
嫌だ…
だから七瀬美香が言っていた二人の写真を撮らせて欲しいと相沢に聞きにいく彼女を止めた。
「相沢さーん❤︎」
七瀬美香が話そうとして相沢が彼女に視線を向けた瞬間椿は声を荒げて止める。
「ま、まって!」
全員の視線が椿に向いてしまう。
「…」
椿は恥ずかしい気持ちを抑えて七瀬美香に言う。
「七瀬さん、この間言ったとおり俺は…む…無理です。」
「…秋原さん…」
七瀬美香とはこの間話して自分のことを少し話した。
だから彼女はわかってくれたのだろう。
彼女は黙ってしまった。
七瀬美香は椿が相沢を想っているのは知っている。
むしろ彼女にとってはとても喜ばしいことだ。
それなのに椿は相沢には近付こうとしない、近けない。
美香は椿のことが心から友達として、美香は椿の姉のような気持ちで椿のことが好きになっていた。
たった少ししか一緒に話したことはないけれどもそれでもなぜか椿が真っ直ぐで無理をしてしまうのがわかった。
椿を弟のように思っているから尚更、椿が好きな人に近付こうとしないことが何よりも悲しかった。
それに今の椿の表情はとても辛そうだ。
深い悲しい目をしている。
「そ、そんな顔して無理なんて言わないでください…」
震える声で美香はついにキレる。
「秋原さんのバカァアアア!」
そう大きな声で部屋中に響き渡る。
「!」
七瀬美香は急に床にぺたんと座って泣き始めた。
ポタッ
ポタッ
「…っ七瀬さん!!?」
「えっみ、美香ちゃんどうしたの?」
監督も周りの人たちも驚き出す。
なぜなら彼女の涙は演技でもなく紛れも無い心から悲しんでいる事が目に見えて分かるからだ。
いくら女優だからって本当に泣いているときは綺麗な演技なんかできない。
周りが驚いて困惑する中、椿は苦しそうに唇を噛んだ。
椿が原因で彼女を泣かせてしまっていることが分るからだ。
「…秋原さんのっバカ…」
「す、すみません…」
「美香ちゃんどうしたの?椿くんも何があったの?二人ともさっきまで何もなかったじゃん。」
監督は何が何だかわからない状態で困惑しながらも話しかける。
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