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「相沢さん…」
自分より背の高い明弘に背伸びをしてそっとキスをする。
それに何も言わず椿に優しいキスで返した後、ドアの方へ振り向く。
「香川さん、もう大丈夫ですよ。」
えっ…り、く?
少し気まずそうな顔をしてドアを開けて陸が部屋に入ってきた。
「あははー、相沢さんと椿の家の前でばったり会ったんだ。それでまぁ、焦った様子だったから、うん…僕は邪魔だろうなと思って外に居て…で今の状況に至るよ。
いやーでも椿のあんなに弱っている姿は僕にも見せないから相沢さんにしか見せないんだね〜」
陸はフォローのつもりで言ったらしいのだが椿には逆効果だった。
「香川さんにも見せない表情…って事は俺だけですか?」
顔の表情を緩めて少し嬉しそうな声で椿の方を見る。
「そうだよ〜」
陸が後ろで無邪気な笑顔で笑う。
「…」
相沢が椿の頬の涙を拭って少し悲しそうに笑う。
心配してくれたんだ…
「相沢さん、拓海には事情言っておくから後はよろしくお願いしま〜す!」
陸も明るく接してくれてはいたが本当はとても心配してくれていたんだろう。
部屋に2人きりになって、玄関にずっと居たままだったから移動することにした。
「と、とりあえず…入ってください、…」
「…お邪魔します。」
「あ、相沢さん…全然遠慮とかいいので、普通に相沢さんの好きなようにしてください。」
少し照れ気味に言うのは心を許しているんだと面と向かって言っているようで恥ずかしいからだ。
それに少し笑ってありがとうございますとか言う相沢を少し盗み見てかっこいいとか思う。
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