アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-191-
-
「それと俺、監督にキスの練習しておいてくださいなんて言われて、そんなのどうやってすればいいんですかーって聞きたいくらいでしたよ。」
笑って笑顔を保ってみる。
けれど相沢さんがどんな顔をしているのかは怖くて見れない。
そんな演技もできないのかとバカにしているのだろうか?
それとも何とも思っていないのか?
どんどん嫌なマイナスなことばかり考えてしまって全てが信用できなくなる。
「も、もうそろそろ撮影終わらせる頃だろうと思うのでいきましょうか?」
ニコッと笑って言うけど返事は一向にない。
「秋原さん…」
名前を呼ばれたかと思ったら、懐かしいような温もりと甘くて切なくなるような匂いに包まれる。
「…!」
「キスの仕方はこうやるんですよ…」
そう言って壁に追い詰められ顎を上に向かされて、明弘の悲しそうな瞳と目が合った瞬間キスをされる。
「!…ん、っ!」
舌と舌が急に絡み、水音が響いて手首を押さえつけられる。
「んっ…!!んんっ…あっ…いざわっさ…ん…」
熱い、もっと触れて欲しい。
「あ、っはぁ、っ…んん、っ!」
長い間そんなことをして口が離された頃には足が立たなくなっていた。
もたれかかるような体制になって椿は荒い息を繰り返す。
抵抗できなかった…
「やり方、わかりましたか?」
少し意地悪そうに笑ったけどその顔は演技だと見抜けた。
本当は少し無理してくれたんだとわかった。
体を離そうとされたけど反射的に掴んでしまった。
「あ、…っ。す、すみません。今のは気にしないでください。」
今度は自分から体を離して急いで撮影場所に早足でかけて相沢から逃げる形になってしまった。
______________________________
急いで行くと要がスマホを見て待っていた。
「あ、…ま、待っててくれて、ありがとう。」
要と一緒に家に帰って、今日あったことは無かったことにしようと心の奥に思いは閉まった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
193 / 563