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君を思って (rtky)
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「キヨくんは今日飲み会なのかー...」
今日遊べん?と打ったLINE。
帰ってきた返事はごめん、今日は飲み会。
はあぁ...と大きなため息をついた。
ため息をつくと幸せが逃げてしまう、なんて言うけれど俺の幸せはもう逃げたようなものだ。
遊びたかった...会いたかった...。
ぽつり一人で呟く。
「あー!!もう!一人でしんみりか!!」
一日会えないだけでしょんぼりしすぎや!と自分に鞭を打ち腰をあげる。
「実況撮ろ、実況」
寂しさを紛らわせる為に何本か撮ろうとゲームを選ぶ。
これは面白そうとか、キヨくんが好きそうだな、実況には向かないなとか、キヨくんとやりたいなとか...
こんな時でさえどうしてもキヨくんの事を考えてしまう自分がいる事に気付いた。
「乙女か...」
キヨくんのせいで思考が乙女と化している。
どうしてくれんのや...と思うがどうもしてくれない。
それがあの男、キヨだ。
男役は俺だけど女々しいのも俺だけなんだろうな。
今頃キヨくんはきっと楽しく飲んで、お喋りして...
一緒にいる人が羨ましい...!
どうして俺を誘ってくれなかったんや...!
「しんどい...」
俺は乙女な思考を停止させる為布団に包まる。
思ったよりも睡魔が襲ってくるのは早く、あっという間に眠りに落ちてしまった。
ブブ、ブブ、という携帯の音で目が覚めた。
時計を見ると0:00近い表記が。
「あぁ...見事な熟睡...」
重い身体を起こし、俺を起こした奴は誰だと携帯を覗く。
そこには「不在着信:キヨくん」の文字。
普段電話をあまりかけてこないキヨくんからの着信。
なにかあったのだろうかと不安になりすぐさま電話をかけ直す。
「キヨくん...っ!」
胸の鼓動がおさまらない...早く...早く出てや...!!
コール音が止んだ。
「もしもし!!キヨくん!?どうした___」
「もひもひ...れとしゃん...?あのね...おれ、ちょっとよいすぎちゃってぇ...むかえにきてほしぃなぁ...なんてねぇ〜...」
いつもより甘い声のキヨくん。
俺の不安は一瞬で安心に変わった。
怒ろうかと思ったけれど、酔った人に言っても無駄だろう。
「きょぉ...れとしゃんにあえなくて...さびしかったよぉ...おれ...はやくきてほしぃ...」
そんなキヨくんの声を聞いて不覚にもときめいてしまう。
あのツンの塊が...寂しかったと。
「わ、わかった...今どこにいるんや...?」
ドキドキとしていることを察されないように平常を装って場所を聞く。
数秒経っても返事が返ってこない。
おかしいと思い、よく聞くと微かに寝息が聞こえてきた。
愛しいキヨくんの寝息。
「外で寝たら風邪引くやろ...!」
暗闇に眠る黒猫
(探してみせろと俺を試す)
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