アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
噂③
-
「知花、ボク・・・その噂知ってるよ。きっと体育倉庫にある鏡の話だと思うよ。みんな、噂してるから。」
気まずくなって、知花から目を逸らした僕を、想太が一瞥してくる。僕の気のせいかもしれないが、何となく僕を責めているような微妙な表情だった。
しかし、すぐに想太は僕から目を逸らして、普段どおり明るい声で噂についての憶測を知花へと話す。
ーーー体育倉庫にある鏡に向かって、ある事をすると願い事が叶う。
確か、そんな感じの良くある噂だった気がする。その噂については想太から聞いていて、実際に試して成功した人が何人もいると目を輝かせながら言っていた。
「へえ、願い事が叶うんだ。ちなみに、仮に噂が本当だとしたら、優太くんと想太くんは何てお願いをする?」
「ボクは・・・」
ふと、そこで言葉を切った想太。
何故、想太がそこで言葉を切ったのかは分からないが、僕は言葉には出さないものの知花の質問を聞いた途端に誠の事を思い浮かべて、無意識に誠の方を見つめてから顔を赤らめる。
「優太くん、ダメだよ。誠と恋人になりたいって思うのは。だって君はオレの物なんだから。」
「・・・え?」
いつの間にか、知花が僕の目の前に来ていて耳元で囁いたものだから、僕は本当に驚いてしまってビクッと体を震わせてしまった。
、
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 477