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ティーナの酒場④
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――ヒソ――
――ヒソヒソ
周りの冒険者達のヒソヒソ声を聞いて、急に酒場に入ってきた男の人が可哀想になった僕は、思わず入口の方に歩いていき、ウィリアムと呼ばれている男の人に話し掛ける。
「あ、あの………どうしたんですか?」
「俺の……娘が…………娘が、うわぁぁぁー
ぁぁ!!」
僕が、少し戸惑いながらもウィリアムと呼ばれた男の人に尋ねるが、錯乱しているのか両手で自分の頭を抱えながら苦しげに叫ぶウィリアムを見て、尚も戸惑いを感じてしまう。
困ったように周りを見渡して助けを求めようとすると、ふと、今まで酔っ払いながら騒がしく話していた冒険者達が急に静かになった事に気付く。ついさっきまで、ウィリアムと呼ばれている男の人の悪口を言っていたにも関わらず、それももう聞こえない。
カウンターに目をやると、ティーナとノルマンが何やら神妙そうな顔付きで話しているのが目に入る。
―――そして、僕らは気付く。
先程まで、酒を飲んで酔っ払った冒険者達は全員、意識を失ったかのように眠っていた。
酒を作ったティーナや、酒を飲んでいない、ノルマンを除いて――――
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