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夜の海へ⑥
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「何か……何か………セイレーンには弱点があるはず……………って、ナギ……どうしたの!?」
「……………シリカ……シリカを……………助けに……行かねえとっ……!!」
ミストが真っ青になりつつ、どうにかしてセイレーンの弱点を考えていると、遂にはナギまでもが、虚ろな瞳でセイレーンのいる海を見つめながら、呟き始める。
そして、錯乱し始めた誠とナギが、セイレーンのいる吸い込まれるように海へと向かい始め、それを必死でミストが制止してた時、今まで黙り込んでいたサンが
口を開く。
「…………なるほど、あの看板娘が気を強く持てと言ったのは、そういう事か。ミスト、この小石を両耳に詰め込め。痛むかもしれないが、我慢しろ。それと、セイレーンの弱点の事だが……」
「先程から私も、ずっと考えていた。そして、ようやく思い出した。火だ。セイレーンは火に弱い。セイレーンの忌々しい歌声さえどうにかすれば、私の弓矢と火の魔方の合わせ技で攻撃できる。」
「あの歌声だが、セイレーンの歌声そのものが恐ろしい訳ではない。誰かを救いたいと強く思う者がセイレーンの歌声を聞き、心の隙を狙われ、救いたいと思う者が危機に陥るという幻惑を見せつけられ、そのまま海へ引きずり込まれる事が恐ろしいのだ。」
サンは早口で、ミストへと言うと、地面に落ちている小石を拾って、それをミストへと渡してから、自分も拾った小石を両耳へ詰め込んだ。
「………忌々しい海の魔物め、これでも喰らえ!!」
サンが背負っている弓を構えて、セイレーンの方へと向くと、尚も魅惑の声で歌い続けているセイレーンの喉元に向かって、勢いよく矢を放つ。
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