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目覚めの朝②
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「………ゆ……うた……」
ふいに、スヤスヤと眠っている筈の誠の口から、僕の名前が聞こえてきて、再び心臓が飛び出るくらいにドキドキして、
誠の方へと目線を向ける。
「…………恋人くんの愛で、起こしてあげたら?ミストは、お邪魔みたいだから、下にいるね~♪それと、体調が良いようなら、一度、下に来てよね。ミストも恋人くんに話したいことがあるからさ!」
相変わらず、ニヤニヤとイタズラ好きな子供っぽい笑みを浮かべながらミストが僕へと言うと、そのまま部屋から出て行ってしまう。
「ま、誠…………起きて……」
「…………ん、優太……お前、目を覚ましたのか……良かった…………本当に、良かった。」
ミストが部屋から出て行くと、内心ではドキドキしつつも、僕は少し強めに誠の体を揺さぶって起こそうと試みる。
すると、誠が驚いたような表情を浮かべながらガバッと体を起こしてから、僕の体をギュッと抱き締めてきたので、余りの嬉しさに、また気を失ってしまうんじゃないかと思ってしまったが、こんなチャンスは二度とないと思い、僕を抱き締めてきた誠の体を遠慮がちにだが抱き締め返した。
―――そんな優太と誠の様子を扉の隙間から、尚もイタズラっぽい笑みを浮かべて楽しげに、コッソリと見つめるミスト。
―――しかし、お互いの体を抱き締め合う優太と誠が、その事に気付ける筈もなかった。
その後、僕は病み上がりとはいえ、誠やティーナの看病のおかげで、万全とはいかないまでも、少し体調が良くなった。
ミストが部屋へと来た時に、僕が気を失ってしまってから、何が起こったのかとか、セイレーンを退治できたこととかを丁寧に教えてくれたため心の底から安堵した。
ティーナさんは、とても良い人で僕が目を覚ましたというのに、
「念のため、もう少しこの酒場に泊まって行って。病み上がりだし、油断は出来ないからね!」
と優しく微笑みながら言ってくれた。
そして、あっという間に夜がやってくるのだった。
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