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二人きりの夜①
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「いらっしゃいませ~……ウィリアム坊っちゃんから、お話は聞いております~。えっと~……お二人様でよろしいでしょうかぁ~?」
店に入った途端、明るいけれど間延びした若いエルフのお姉さんの声が聞こえてくる。ここは、ウィリアムが経営する露天風呂屋で、僕と誠は二人きりでそこに足を運んだのだ。
―――何故、そんな事になったのかというと、話は少し前に遡る。
僕と誠が目を覚ました後、一緒に酒場の一階へ降りると、正気を取り戻し、僕達と最初に出会った頃とは別人のようになったウィリアムが穏やかな笑みを浮かべながら、僕と誠へと歩み寄ってきた。
そして、少し大袈裟な程に感謝されたかと思うと、僕と誠に、二枚の券を手渡してきたのだ。
《露天風呂貸し切り優待券》
「そ、そんな……こんな良い物まで貰うなんて、流石に申し訳ないですよ……ウィリアムさん。」
「いいや、こうでもしないとアンタらに示しがつかねえ。それに、ウチの露天風呂屋だから遠慮はいらねえからよ。どうか、受け取ってくれ。」
ウィリアムさんに、真剣に言われてしまい、受け取らない訳にもいかず、僕と誠は、こうしてウィリアムさんの経営する露天風呂屋へと足を運んだのだった。
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