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ガンガン!
進行役が小槌を鳴らして場を制した。
「10億以上を掲示する方はいらっしゃいますでしょうか?………………いらっしゃいませんね。
《シエル=ランベリク》、100番のペリグレット国王様が落札されました!
以上で本日のオークションを終了させていただきます。
ご来場ありがとうございました。
商品を落札された方は取引コーナーにお集まりください。
それでは皆様、お気をつけてお帰りください。」
終了の声と共にぞろぞろと会場から人が出て行く。
シエルを落札できなかった貴族たちは肩を落とし、皆ブツクサと文句を言いながら帰っていった。
取引コーナーではこの日のオークションで商品を勝ち取った総勢15人の貴族が集まり、その視線は自分の商品ではなくシエルに向けられていた。
「あんな綺麗な瞳見たことがない」
「本当に男なのか?是非証拠を見せてもらいたいものだな」
「10億だなんて耳を疑った」
シエルが好奇の目に晒され俯くと同時、カツン…と靴を鳴らす音が響いた。
ペリグレット国王だ。
皆がシンと静まる中、エルヴィドが男の肩を叩き、笑顔で話しかけた。
「ペリグレットの王様はどういう気の迷い〜?自分で没落させた国の王子を奴隷として買い取るなんて。それに、俺だってそのコ、狙ってたのにな〜」
取引が成立したエルヴィドはリリーの胸を揉みしだきながらペリグレット国王に問いかける。
皆は王が怒らないかと冷や汗を垂らしながら、各自落札した奴隷を受け取りそそくさと帰っていった。
「お前には関係ないだろう、クライトマン。金の使い方くらい俺の自由だ。」
ペリグレット国王はいくつものアタッシュケースを会場側に渡し、シエルを受け取った。
「おい。付いて来い」
首に繋がれた鎖を容赦なく引かれ、シエルは嘔吐きながらペリグレット中心部にそびえ立つ城へ連れ帰られたのだった。
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