アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
アルベールが部屋を出ていき、シエルは虚ろな目で辺りを見渡した。
拷問室というだけあって、部屋全体が鉄で囲まれており温かさなどは微塵もなく、鎖に手枷、鞭、斧、猿轡……と様々な拷問具が揃えてあった。
辛うじて着せられている服は薄く、体は完全に冷え切っている。
「殺す………、殺してやるんだ……」
憎きペリグレットの王が初恋の相手だということは大誤算だが、家へ潜り込むことができて好都合だ。
いくら奴隷とは言っても、一緒に暮らすとあらば必ず隙はできるはず。
シエルは大好きだった両親と国民を残虐な殺め方でこの世から葬ったアルベールに同じ苦しみを味わわせてやると心に誓った。
時間が経ち、アルベールがまた部屋を訪れた。
「シエル、飯だ」
「……いらない」
「飢え死にされても困る。食え」
無理矢理口を開けられて中に食物を押し入れられた。
吐き出そうとするが、口と鼻を押さえられ、飲み込むことを余儀なくされた。
シエルが飲み込んだことを確認し、全て食べさせてからアルベールは部屋を出て行き、鋼鉄の扉を閉めた。
シエルは喉を鳴らして無理矢理嘔吐感を誘発し、ゲェっと食べたものを床に吐き出した。
ハァハァと呼吸が乱れ、 気持ち悪くて倒れこみたいが、手枷が壁につながれているため寝転ぶこともできず、座ったまま寒い夜を越えて朝を迎えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 280